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東京は大丈夫か 甲状腺被ばく作業員1900人超・児童は確率160倍の不安

 先ごろ、福島第一原発事故で、放射性ヨウ素を体内に取り込んだことによって甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルトを超える作業員が、推計で1973人に上ることが東京電力の調べで判明した。

 被ばく量が100ミリシーベルトを超えると、がんのリスクが高まるとされる。
 「一般人が年間に浴びてよい人工放射線量は、自然放射線と医療放射線を除き年間1ミリシーベルトと定められている。レントゲン技師などの放射線業務従事者では年間50ミリシーベルト、5年であっても100ミリシーベルトです。作業員らは通常の100倍もの放射線を浴びたことになるわけです」(サイエンス記者)

 東電は、これまでに522人の作業員の実測データを世界保健機関(WHO)に報告しており、WHOが2月に公表した報告書では、このうち甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた作業員は178人だった。
 しかし、そもそも実測データがある522人以外の今回の調査自体、取り込んだ放射性セシウムからヨウ素の値を推計し、甲状腺被ばく線量を評価したもので、あくまで推定に過ぎず、実際の人数はもっと多いかもしれない。

 心配なのは、一般市民への健康被害の広がりである。実は既に、福島県内の子供において12人が甲状腺がんを発症し、15人に疑いがあるとされているのだ。
 「体内に取り込まれた放射性ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、特に子どもは影響を受けやすい。甲状腺がんは100万人に一人発症する稀有な疾患で、年間発症する160倍もの頻度で広まっている。しかも、原発からどんな物質がどれくらい出たのか、はっきりしない。まず、甲状腺がんとの関連をはっきりさせる調査が重要です」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)

 一方、首都圏でも不気味な兆候が見られている。
 「1000人の子供の甲状腺を調べている医師の診断では、甲状腺の良性腫瘍である嚢胞・腺腫様甲状腺腫が約30%も見つかっており、白血球の異常も60%に及んだ」(医療関係者)

 慎重な調査が必要だ。

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