「ポイントはサッカーの母国イングランドです。初戦でイタリア、次にウルグアイと当たる。もしイタリアに敗れれば連敗の可能性が高まり、イタリア戦に全力投球することになる。逆に見れば3試合目にウルグアイ戦があるイタリアは、初戦から無理をせず、2位通過を堅実に狙う戦い方をするでしょう」(前出・ジャーナリスト)
かくして決勝ラウンド初戦は、日本vsイタリアの組み合わせが濃厚−−。イタリアのファンはこう見ているのだ。
「ザックジャパンがアズーリを打ち負かせば、イタリア国民も納得する。イタリアが予選ラウンドで敗退、日本が突破となっても、ザッケローニ氏への流れに雪崩を打ちますよ」(同)
他国でこれほどザッケローニ氏への注目度が高まっているにもかかわらず、日本サッカー協会は引き留めに本腰を入れないでいる。
日本サッカー協会の大仁邦弥会長はブラジルW杯後の日本代表監督人事について「大会が終わってから結果をしっかり分析して考える」と気楽に構えているが、このままでは続投を要請する前に逃げられてしまうのは確実。イタリアとでは本気度がまるで違うからだ。
大手広告代理店のサッカー担当者は「サッカーの監督に対する評価が日本とは全然違う」と語る。
「日本ではザッケローニ監督の年俸2億円がやっかまれていますが、イタリア代表のプランデッリ監督は約4億2000万円。元ACミラン監督でイングランド代表監督を経てロシア代表監督に就いたカペッロ氏は約11億円。長年、日本が代表監督を期待する元名古屋グランパス監督でアーセナル監督のベンゲル氏は約14億円です。その金額と比べても、いかにザッケローニ監督が買いたたかれているかがわかります。イタリアサッカー協会は現在の年俸の3倍増、およそ6億円で代表監督に迎える準備を進めているというのに…」
ザッケローニ監督の野望が別のところにあるとしても、初のベスト8進出を果たすサムライブルーを、ぜひとも見たいものだ。