巨人軍、4人目の野球賭博関与者・高木京介投手が謝罪会見に臨んだことで、いったんは鎮静化したはずだった。
この騒動に、馳浩文部科学大臣も「自浄能力が働いていたのか?」と憤慨したというが、野球賭博問題が清原裁判と重なって、NPBを奈落の底に突き落とすことになりそうだ。
「清原和博の裁判は長引かないはず。初犯ですし」(社会部記者)
裁判は5月17日から始まる。「2カ月余で結審するのではないか」との声も聞かれた。しかし、結審までの時期が悪すぎる。
「東京五輪の追加種目競技が最終決定するのは今年7、8月。最終議論の過程で、清原裁判が同時報道されていく図式になりそうです」(JOC関係者)
NPBは国際オリンピック委員会傘下のアンチドーピング機構に加盟していない。独自の方法で薬物使用の調査をしてきたわけだが、清原は「現役時代からの常習」を疑われている。
裁判でそれが明らかになれば、NPBはクスリの使用に厳しい五輪競技には不適格だという烙印を押されることになる。
「清原が反省の弁を述べ、更正に向かっていくとしても、クスリ、賭博問題に関するNPBの自浄能力は疑われたまま」(前出・社会部記者)
NPBの自浄能力に関してだが、熊崎勝彦コミッショナーの憤りは尋常ではない。一連の信頼を取り戻す一環として、目下、内部で審議されているのが賭博問題の調査を『捜査』に切り換えることだ。
「野球賭博問題の調査を一任されたのが、大鶴基成氏です。熊崎氏と同じ元東京地検特捜部長を経験した同氏ですが、2人とも新たな高木投手の不正発覚により、メンツ丸潰れです」(内部関係者)
先に処罰された福田、笠原、松本の3投手について調査が行われていたときのことだ。大鶴氏は「調査に協力してもらえない。真相究明できない」と嘆いていた。携帯電話を取り上げるなどして徹底的に調べるつもりだったが、「調査」である以上、相手側の協力が必要だ。しかし、3投手は「イヤだ」の一点張り。彼らを誘惑したとされる“闇の紳士”も同様である。
「警察と話し合っています。事件として捜査に切り換われば、相手の意思なんか関係ない。徹底的に調べられます」(前出・内部関係者)
返り血を浴びることになるであろう野球界は、東京五輪の追加競技に選ばれない可能性が高まった。ワンセットで立候補した女子のソフトボールも巻き添えにしてしまう。