プロ野球の平日ナイターの開始時間はほぼ6時時開始。昨季までは神宮球場を本拠地とするヤクルトが、大学野球の関係で、6時以降に設定されることも多かったが、今季はすべて6時開始で統一された。12球団のなかで唯一6時15分開始としているのが、千葉ロッテのQVCマリンスタジアムで、これは東京方面からの移動時間を考慮したものと思われる。
巨人がテスト的に実施する7時開始については、大いに歓迎すべきことで、もっと他球団も議論すべきではなかろうか。そもそも、プロ野球の開始時間は他の娯楽と比べると早い。サッカーJリーグ公式戦は土日開催が主だが、平日の場合は7時開始が主流。プロレスは6時半開始が多いが、最近では7時開始も多くなってきた。コンサートも6時半か7時開始だ。
エンターテインメントである以上、観客があってこそ。6時開始では仕事帰りに向かっても、開始時間に間に合わない人がほとんど。ファンの多くが「試合開始から見たい」と思うのは当然で、7時開始とすれば、その要望はかなり改善されるだろう。
ただ、問題なのは試合終了時間だ。プロ野球は他のスポーツやコンサートなどと比べて、時間が長い。平均で3時間はかかっているから、7時開始なら終了はおおむね10時過ぎることになり、小さな子ども連れの客にとっては帰りの時間が気になるところだろう。
プロ野球各球団とも、観客動員は頭打ちで、より客の立場に立った興行の在り方を検討する時期に迫られている。これもファンサービスのひとつである。終了時間が遅くなる問題があるなら、よりスピードアップに努め、まずは休日前の金曜日の試合あたりから、7時開始を積極的に導入してみるのも良いだろう。
(落合一郎)