本紙既報のように、滝川の降板は、ギャラをめぐるフジテレビとのケンカ別れだった。滝川は今年6月に報道局長に辞意を伝えていたが、一度は引き止められていた。しかし経営不振にあえぐテレビ業界のこと。結局、渡りに船とばかりに受理されたようだ。
「滝川は、資生堂のCMの仕事が入っていたためにギャラアップを狙ったが、フジテレビは拒否した。中立が原則のニュースキャスターだから、局は特定の企業のCM出演を容認することができない。フジテレビと滝川サイドは決裂して、9月21日に降板を発表、25日に降板という電撃的な流れになったわけです」と、フジテレビ関係者。フジテレビとすれば滝川では視聴率も取れないし、これ幸いとばかり滝川を切ったらしい。
フジテレビでは、さらなる大物キャスターのクビ切りもウワサされている。コスト削減のあおりは、どのアナにとっても“対岸の火”ではないのだ。
その筆頭は「めざましテレビ」の大塚範一(61)だが、「とくダネ!」の小倉智昭(62)、そして「スーパーニュース」の安藤優子(50)らの名前も挙がっている。
「大塚のギャラは年間1億円、小倉は3億円、安藤は2億円、合計で6億円と推測されます。彼らを切って局アナにすれば、タダになる。フジテレビの場合は、局アナの人材もそろっているし、制作費削減のためには最後に残った大物の首を取るしかない、というのが局の考え方です」と前出のフジテレビ関係者。
業界一景気の良かったフジテレビでさえ、不況の荒波はすさまじい。スポット広告は売れず、ジリ貧状態が続いている。「経費削減だけが目的でなく、局アナを育てる方針が打ち出されている。そのためにも大物には去ってもらう必要があります」と、関係者は言葉を続ける。
この傾向はもちろん、フジテレビだけではない。テレビ朝日では、「ワイドスクランブル」の大和田獏(51)に続いてウワサされているのが「Jチャンネル」の小宮悦子(51)というのだから、ビックリ。
推定ギャラ1億円の小宮は、すでに51歳のベテラン。そろそろ後進に道を譲ることも選択肢のひとつかもしれない。その場合、後任は局アナの上山千穂(33)が有力といわれる。彼女はスタイルも良く美人で質素。「ニュースステーション」や「やじうまプラス」など、ニュース畑を歩いてきたため、ニュースの「読み」でも遜色(そんしょく)はない。局アナ起用を打ち出しているテレ朝とすれば、願ってもない人材だ。軽く1億円の経費が浮くことも見逃せない。
テレビ業界不振の余波をモロに食らいそうなベテランキャスターらにとって、眠れない秋の夜長となりそうだ。