西村雅彦『データソムリエ西村雅彦』(福岡放送など)、高橋英樹『トコトンハテナ』(テレビ九州などテレビ東京系列)や『窓をあけて九州』(RKB毎日放送ほか)、『未来への羅針盤』(九州朝日放送)といった九州ローカルで放送されている番組。
「これだけ多数の番組を、一社のスポンサーがいっきに降りるのは珍しい。それだけ九州地域の電力業界の景気が悪化している証拠」(九州地区の電力関係者)
減益要因は、定期検査に入った原発を再稼働できず、燃料費や他社からの購入電力量が増加したため。これが約3000億円に達し、収益を圧迫している。
決算内容は最悪で、'12年3月期売り上げは1兆4500億円だが、経常赤字が1200億円、最終赤字が1400億円に達する見込み。
'13年3月期の予想は、さらに赤字幅が広がる。売り上げ1兆4000億円、経常赤字が2000億円、最終赤字が2200億円と一歩間違えば“倒産”に近い深刻な状況だ。
番組が突然打ち切られたため、出演者も慌てている。
「高橋英樹にとって、'05年から7年間続いて重要な収入源だった『トコトンハテナ』の打ち切りはかなり痛いはず。これだけでも年間推定5000万円の減収です」(テレビ関係者)
西村雅彦も、経済的打撃は少なくない。
「西村は、それほど儲かるとはいえない単発ドラマと舞台が活動の中心だった。今回打ち切られた『データソムリエ』は貴重な収入源。終われば、年間推定3000万円の“損失”です」(スポーツ紙文化部デスク)
この段階で電力会社がテレビのスポンサーから降りるのは当然の流れ、とテレビ関係者は言う。
「電力会社は、もともと番組のスポンサーになる目的が違う。地元では名が知られているし、物品を販売する企業でもなく、名前を売る必要はない。提供理由は、なにかスキャンダルが起きたとき、テレビで報道されないようにするため。だから、景気が悪くなれば広告宣伝費は限りなくゼロに近くなる」(広告代理店社員)
原発停止で、各ブロックの電力会社の番組提供枠は今後激減するのは避けられそうもない。ローカル局にとっては死活問題だ。