蔡風見(松田翔太)らの陰謀によって社長の席から追われてしまった葉月蓮介(木村拓哉・SMAP)は、会社を出て居所がわからなくなる。真絵美(篠原涼子)や蓮介が来るのではないかと、リュウ・シュウメイ(林志玲=リン・チーリン)が居候していたラーメン屋でバイトをする柚月(北川景子)は彼の安否を気遣うが、当の蓮介はかつての仲間雉畑(渡辺いっけい)と合ったり、フリマを見たりして街中をふらふらしていた。かつての思い出の場所でやっと蓮介を見つけた真絵美は、昔に戻って蓮介と楽しい時間を過ごすが…。
グローバル化でのし上がったベンチャー企業の社長を追ったビジネスものなのか、モテモテ社長と美女たちの甘い恋愛モノなのか、どっち付かずのまま突き進んだ結果、どちらの視聴者層からもそっぽを向かれた『月の恋人』。後半特に一番の盛り上がりを見せないといけない最終回目前にして、たるみ具合がすごかった。やけにさっぱりした社長交代劇になんの緊張感も無いし、篠原涼子の無理矢理イイ女しゃべりを30分近く聞かされた挙句、ラブシーンも無い。それよりも今まで散々中国工場と部下をいたぶってきたキムタク蓮介が会社を負われて感傷に浸られても、見ている方はぜんぜん同情できないし、中国人の蔡風見の松田翔太の方が社長としてまだ安心って感じがする。というか、このドラマ自体、出演料の安い松田が主役でも視聴率的に同じだったかも。これは事業仕分けすべし、蓮舫さんの出番ね。
その他のムダを指摘すると、時田さん(温水洋一)の中華料理店に現れる謎の男・丸山(竹中直人)の出番が少ないのと、モデル・社員役で出てくる西山茉希とララピポ中村ゆり。何かもったいない使い方をされているこれらの人々が、もしかして、最終回のスペシャル版で大暴れなんて、あるわけないよね。(チャッピー)