モンゴルから日本に帰ってからも朝青龍はけいこらしいけいこもしないで体調は極めて悪い。他の親方衆からも「あれでは前半もたないだろう。最悪のケース(引退)も考えられるだろうね」との声も出たほど。
実は、ここに朝青龍の計算が隠されているのだ。自身が名古屋場所での結果が出せないことを自覚し言い訳に利用しているというのである。
「この時期に自分のプライベート・スキャンダルを告白したのは、その結果でマスコミは大騒ぎすることをは必至でしょう。彼はこのマスコミを利用しようとしているんですよ」と話すのは相撲担当の週刊誌記者。
これまで朝青龍は、マスコミとの“場外戦”を何度も展開してきた。そのたびに「お前らが騒ぐから土俵に集中できないんだ。いいかげんにしろ」と不調の原因はマスコミにあると言葉を強めていた。
前出の記者はさらにこう明かす。
「名古屋で前半負けがこめば、即引退がささやかれるでしょう。それもマスコミの責任だ、と言いたいんです。それにもう一つ、朝青龍には計算があるんですよ。たとえ引退という最悪のケースになったとしても、即モンゴルには帰りたくない。なぜ? タミルさんがCMモデルとして活躍している国には帰りづらいでしょう。日本に居座って、もう一度自身をアピールしたいところです。それには他の分野に活路を見いだすしかない。格闘技の世界なら彼は巨額な金も得られるでしょうからね」
タミルさんとの離婚の原因に、新しい女性の影がチラホラ出ているが、実はこの女性も「格闘技に関係する女性」(事情通)ともいわれている。これまでも朝青龍が引退必至と騒がれた際にはプロレスか総合格闘技転向の話が浮上してきたが、いつの間にか消えていた。
では、最近の朝青龍と格闘技界の関係は、というと実に太いパイプでつながっている。先ごろ「戦極」でデビューを発表した柔道五輪金メダリストの石井慧とは兄弟付き合いをしており、いつでも“話し合いの場”はつくれる環境になっているといわれる。
またプロレス界にもアントニオ猪木(IGF代表)とも何度か話をしており、猪木自身も「最高に面白いキャラクターだよ。プロレス界に来れば大フィーバーだけどね」と話しており、その可能性はなくはないだろう。
では、仮に朝青龍が格闘界に転向するとすればプロレスか総合格闘技かで注目されるが、「プロレス界もノドから手が出るほど欲しい存在だけど、今のプロレス界には金がないんです。これは大きなカベですね。それに比べ総合の場合はスポンサーがつけやすいこともあり、可能性としては石井とともに総合格闘技が有力でしょう」(プロレス担当記者)となる。
確かに一説では朝青龍が格闘技界入りをするとすれば5億円ぐらいの契約金が必要といわれており、今のプロレス界には、“荷が重い”といえるだろう。総合格闘技の関係者は「横綱がその気になればすぐにも動きますよ」と話しており、やはり、こちらが有力となる。
それにしても、朝青龍自身が“ナゾ”ともいわれる場所直前の離婚告白のウラをたぐっていくと、いくつもの“?”が出てくるが、自らが演出する格闘技転向へのシナリオには段階を経た計算が隠されているようだ。