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非情通告・吉川を巨人が獲得した真相

 前中日・吉川大幾内野手(22)の巨人入りが決定した。
 中日を解雇された真相を巡り、さまざまな憶測が飛び交っている。吉川は若手育成のフェニックスリーグ(宮崎)に参加したが、練習態度の怠慢さが谷繁元信・兼任監督の逆鱗に触れ、強制帰還させられたという。戦力外の非情通告を受けたのはその後の10月30日である。

 「中日が堂上(剛裕)、中田(亮二)ら10選手(育成を含む)に戦力外を通告したのは、10月1日。時系列で考えると、そのあとの10月6日からフェニックスリーグは試合を行っており、吉川が強制帰還を命じられたのは同19日。ナゴヤ球場施設内で個人練習していたところを呼び出され、『戦力外』でした。若手、中堅は、フェニックスリーグのメンバーに選ばれると、『来年も契約してもらえるんだな』と安堵します。吉川を解雇した理由が勘繰られるのも無理はない」(プロ野球解説者)
 報道によれば、吉川に「来季の構想に入っていない」と告げたのは、落合博満GMだという。

 「中日OBの立浪和義氏が次期監督の含みを持って、コーチ入閣できないかと暗躍しているとの情報も交錯しています。立浪氏は吉川にとって、母校・PL学園の大先輩。今も吉川に強い影響力を持っているとされ、その関係を嫌ったとも推測されています」(球界関係者)
 立浪氏の復帰に強い嫌悪感を示しているとされるのが、落合GMの『最大の理解者』であり、後ろ楯でもある白井文吾・中日オーナーだ。立浪氏が現役を引退した09年オフ、当時監督だった落合GMは、背番号『3』を森野将彦に継承させようとした。しかし、森野がそれを固辞し、落合GMが怒ったとの報道があった。『ミスタードラゴンズ』とも称された立浪氏をスタメンから外したのも、監督・落合だった。吉川がそのトバッチリを食ったとする話は、たしかに“一本の線”でつながる。
 しかし、落合GMがそんな感情的な言動を取るだろうか。

 「落合GMは堂上たちに『戦力外』を通告する際、同席していません」(前出・同)
 中日OBの1人によれば、落合GMが直接、戦力外を通告したのは川崎憲次郎氏だけだったという(監督時代)。川崎氏の実績に配慮したとのことだが、今回、吉川氏への落合GM自らによる直接通告は、やはり異例ということになる。
 「ドラフトで社会人の内野手、石川駿(24=JX-ENEOS)、遠藤一星(25=東京ガス)の入団が確実となりました。年齢的に見て、落合GMは即戦力と判断しているはず」(前出・プロ野球解説者)
 先の時系列に、ドラフト会議(10月23日)を加えれば、最初の解雇通告と『吉川への非情通告』の間に、それが入る。ドラフト直後、遠藤が7位という下位指名を受け、プロ入り後の不安を口にしていた。その遠藤の説得に成功し、チーム登録の内野手に余剰人員が出たとも考えられるが…。

 「谷繁監督が将来のクリーンアップ候補と期待している若手内野手は、高橋周平(20)です。3年目の高橋が4年目の吉川に取って代わったとも解釈できます」(前出・関係者)
 真相は分からない。だが、昨年の井端弘和に続き、吉川、堂上剛裕(29)と中日勢3人が原巨人に流れた。「チーム情報がある程度握られるのは覚悟しなければならない」とこぼすスタッフもいないわけではなかった。

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