同センターの「輸入サケ類のダイオキシン類残留レベル」によると、ノルウェー産サーモントラウトから5.2pgTEQ/gのダイオキシンを検出。一方、チリ産のサーモンのダイオキシン濃度は0.38pgTEQ/g。つまり、両者には15倍もの差があったのだ。
「養殖サーモンは回転寿司の中でも子供たちの好物として人気ナンバー1。サラダやオードブルでも使用頻度が高い。しかし、混雑したせまい養殖場では病原体も多く、水質汚染も確認されています。また、身を天然に近い健康的なピンク色にするため、染料を混ぜたエサを与えられており、“スコットランドやノルウェー、カナダ東岸産の養殖サーモンを食べるのは年3回以下に抑えるべき”と警告する研究者もいるほどなのです」(社会部記者)
実際、調査をした健康安全研究センターはどう見ているのか。
担当研究者が言う。
「ノルウェー産の養殖サーモンにダイオキシンの濃度が高かったのは、エサや水質環境によるものとみられます。現在、ダイオキシンの耐容一日摂取量は、体重1キロ当たり4pg。ノルウェー産のサーモン40グラム分です。しかし、ダイオキシンを摂り過ぎたからといって症状が表れるわけではありません」
確かに、医療機関の中には人体への影響はないとするところが少なくないが、発がん性物質であり、甲状腺機能、精子数、免疫機能が低下するといった報告もある。やはり、少し控えめにした方が良さそうだ。