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ドラクエ世代がハマる怪獣映画『ゴジラVSビオランテ』とは!?

 関東のサブカルファンにはお馴染みのトークライブハウス「新宿ロフトプラスワン」。

 その9月のイベントスケジュールが発表されると、怪獣映画を愛するファン達は大いに驚きました。
 9月25日(土)に、平成元年に公開されたゴジラシリーズ第17作目である『ゴジラVSビオランテ』のイベントが行われることが発表されたからです。
 DVDやブルーレイなどの発売記念であったり、公開20周年を記念してのイベントが行われるのなら分かります。しかし本作は、ブルーレイも昨年に発売済みですし、公開20周年も昨年のことです(昨年はビオランテ公開から20周年ということで、平成ゴジラシリーズ関連のイベントも多く行われました)。
 特に何かの記念であるといったことは関係なしに、突然20年以上も前に公開されたゴジラ映画シリーズの1本である『ゴジラVSビオランテ』のイベントが行われることになったのです。これは極めて異例な事態といえなます。

 このようなイベントが行われることになった最大の理由は、やはりこの作品『ゴジラVSビオランテ』が、本当に多くのゴジラファンから愛されているからなのでしょう。
 それほどゴジラに詳しくない人からすれば、「ゴジラ映画で特に人気がある映画は、キングギドラとかモスラとかと戦った映画なんじゃないの?」と思われる方も多いと思います。ビオランテは、キングギドラやモスラ、ラドンといった怪獣と比べるとどうしてもマイナーな存在でありますから、ゴジラとビオランテという怪獣が戦う映画も、そんなにファンの間で愛されている作品という印象は抱かれにくいのかもしれません。

 しかし、かつて『ゴジラマガジン』という、ゴジラファンのための、ゴジラのことしか載っていないという素晴らしい雑誌が、ケイブン社から刊行されていたことがあったのですが、このゴジラマガジンの読者を対象としたアンケート企画として行われた「ゴジラマガジン読者が選ぶ好きなゴジラ映画ランキング」では、『モスラ対ゴジラ』や『キングコング対ゴジラ』『ゴジラVSキングギドラ』といった人気作も抑えて、『ゴジラVSビオランテ』は堂々の第3位という人気ぶりだったのです。
 ゴジラファンだけに限定にすれば、『ゴジラVSビオランテ』は、キングギドラやモスラの出てくる映画以上にファンからも人気があって、支持をされている作品だったのです。
 このゴジラファンによる根強い人気が、公開から20年以上経っても『ゴジラVSビオランテ』単独のイベントが行われる理由なのでしょうね。

 実は私も、数あるゴジラシリーズの作品(全28作品)の中でも本作が一番好きです。
 この映画の魅力は何と言っても「ゴジラVS自衛隊」の面白さです。そうです、本作はタイトルこそ『ゴジラVSビオランテ』なのですが、ビオランテ以上に、ゴジラと自衛隊のバトルが色濃く描かれているのです。
 バズーカ砲を片手にゴジラと戦う権藤一佐や、若きエリートである黒木特佐のかっこ良さは、当時の子供達のハートを鷲摑みしました。
 また本作の音楽を担当しているのは『ドラゴンクエスト』でお馴染みの、すぎやまこういち氏であり、ドラクエを時折連想させてくれるような曲で、映画を盛り上げてくれます。
 つまり、本作は究極の「戦争ごっこ映画」なのですね。昭和29年公開の第1作目の『ゴジラ』は、太平洋戦争からわずか9年後に公開されました。つまり、作り手も戦争を経験していたし、そこには戦争の痛みやトラウマのようなものも描かれていました。『ゴジラVSビオランテ』をはじめとして、平成以降に公開された怪獣映画からはそのような重みは消えてしまったという批判も一部のファンからはあります。

 ですが、本作は戦争を知らない世代であり、怪獣映画を見て育った世代が、純粋に怪獣を見ていてワクワクドキドキした気持ちをストレートに描いた、戦争ごっこであり、究極の大魔王(ゴジラ)との戦いを描く、最高に楽しいゲームのような映画であり、自分はこの映画こそ最強の娯楽映画、エンターテインメントとしてはナンバー1のゴジラ映画であると思っています。
 ドラゴンクエスト世代で未見の方には、是非一度鑑賞していただきたい名作です。

(「作家・歩く雑誌」中沢健 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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