巨人入りは時間の問題であり、また、新生ベイスターズも巨人を退団したばかりのラミレスの獲得がほぼ確実となった。さらに、ソフトバンクは今オフの国内FA市場の主役・杉内俊哉(31)の残留交渉に難航。原沢GMが「獲得の意思」を見せているだけに、今オフの球界は“大シャッフル”が起こりそうである。
「FAで主軸選手を喪失する側の球団は『人的補填』を活用する傾向が強くなっている。金銭補償で赤字額の減額に充てる方法もありますが、新たに戦力を補強しなければならない場合は、結局支出を覚悟しなければならない。外国人をシーズン途中に獲得する場合がとくにそうです。それだったら、確実な計算のできる中堅、若手を貰った方が得策だと考えているのでしょう」(スポーツ紙記者)
移籍先球団が人的補填でプロテクトできるのは28人まで。直近のドラフトで獲得した新人、外国人、複数年契約選手は“一本釣りの対象”から除外されるので、事実上のプロテクト扱いとなるが、巨人にはチャンスに飢えた中堅野手が溢れている。
元ロッテの大村三郎に続いて、第2捕手・鶴岡一成(元横浜)もFA権を行使し、ともに古巣帰還が確実視されている。放出する側の巨人は、外国人投手に泣かされた昨年の反省から、人的補填で「中継ぎタイプの投手を狙う」との情報も飛び交っている。
「ソフトバンクは杉内、和田毅の両左腕が同時移籍する恐れがあるうえに、最多勝のホールトンの慰留にも失敗。戦力が大幅に低下した感は否めない。阪神・和田新監督は『FAナシ、自前戦力の底上げ』を明言しました。今オフの補強は巨人が一人勝ちする可能性もあります」(前出・同)
ソフトバンクは、杉内に代わるとまで行かなくても、将来性のある若手投手を巨人から一本釣りする策もある。一方の杉内だが、「山崎勝己(29)がマスクを被らないと、極端に成績が落ちる」との説がある。
「杉内は生活・環境面での変化に慣れるのに時間がかかるタイプです。義弟の新垣渚も同時獲得すべきでしょうね」(同)
杉内獲得後、巨人は複数トレードにも着手しなければならない。来年度の選手名鑑編集は混乱が予想される。