「1月22日に放送された第2話でキューピー、エバラ食品工業、JX日鉱日石エネルギー(エネオス)の3社を皮切りに、29日に放映された第3話分から富士重工業(スバル)、花王、三菱地所などを含む5社も相次いでCM放送を見合わせた。その代わりに、ACジャパン(旧公共広告機構)のCMがOAされたのです」(広告代理店関係者)
さらに日テレは2月6日までに謝罪文を発表しながらも、放映を継続すると宣言している。それにしてもなぜ、ここまで強気にOA継続にこだわるのか? その裏には、民放ならではのカラクリが隠されていた。
「建前は“表現者”であるという矜持から圧力には屈しないということ。全てのOAが終わった後の批判なら受けて立つが、放映される前から放送を中止しろと言われハイハイと従ってしまったら、業界の信用を失ってしまう。脚本家も出演者もスタッフも逃げ出すでしょう。イコール、日テレではドラマ制作が不可能になってしまうんです」(制作関係者)
ところが、本音は別にあるという。広告代理店幹部が囁いた。
「いま番組を打ち切りにでもしたら、スポンサーCM料金が一銭も入ってこなくなる」
なんと、スポンサーの全8社がCM放送を見合わせても、日テレの懐具合は痛まない仕組みになっているというのだ。もちろん全8社のCM料金は、これまで通り代理店を通じ振り込まれる。
「今回はあくまでもスポンサー都合でCMを見合わせた。ACジャパンのCMが放映されても契約は継続している。これがドラマを打ち切りにすると、“日テレの都合”ということでスポンサーには全額を払い戻さなければならないルールなんです」(事情通)
ちなみに、気になる全8社のスポンサー料の使途はこうだ。
「全9回の放映分で、約10億円弱。これにスポットCM料が一話分で約5000〜8000万円がプラスされる。この約15億円から、代理店手数料、電波料が差し引きされると、一話の製作費は約3000〜4000万円。この中で出演料、スタッフの人件費、技術、美術などの費用を捻出する。結果、大半が赤字で利益が数万円なんてこともザラなんです。ドラマのコストパフォーマンスが悪いと言われる所以ですよ」(民放編成マン)
日テレは、何が起ころうとも打ち切りを言い出せないはずなのだ。