「フジ編成が決めた改編の裏コンセプトが『聖域なき大改革』。信じられませんが、芸能プロとの付き合いを全て白紙にするそうです。当然、タレントとの個人的付き合いも関係なし。全てをゼロベースにした上で、見直すんです。ある意味、フジが一番苦手としてきた分野にメスを入れる。芸能界はこの話題で持ち切りです」(芸能プロ幹部)
大リストラは今年6月に就任した亀山千広社長の指示によるもの。全日、ゴールデン、プライム帯において10年以上にわたって継続している番組を対象に、特別監査を行った。
「制作費と視聴率のバランスを軸にCP(コストパフォーマンス)を重視して番組を見直したんです。その場には、制作や編成のスタッフだけでなく、経理部の幹部も一緒に立ち会った。フジでは伝統的に番組編成会議に経理関係のスタッフが立ち会うことは珍しい。どうやら、数年前に日本テレビやテレビ朝日が行った番組諮問会議のやり方を踏襲したようだ」(事情通)
フジといえば、30代で年収2000万円超え(制作系)の高給を誇り、制作費も無尽蔵であることで知られてきた。若き映像クリエーターにとっては憧れのテレビ局としてダントツの人気だった。しかし、フジを取り巻く環境は、この数年間で激変したのだ。
「視聴率争いで1位の日テレと凌ぎを削っていたのはもう3年前の話です。最近ではテレ朝に抜かれ3位が指定席。しかも、GP帯でテレビ東京にも負ける日が出てきた。看板のドラマも当たっているのは、現在OA中の『リーガル・ハイ』一本のみ」(民放編成マン)
さらに、フジ上層部を焦らせたのがスポットCM収入の激減。この十数年間、トップをひた走ってきたものの、'13年度上半期分でついに日テレに抜かれ2位に陥落したのだ。それだけではない。某大手広告代理店系シンクタンクから驚愕すべきリサーチ結果がもたらされたという。
「今後、10年間は日テレとテレ朝の2強時代に突入するという結果だった。結論をいえば、2020年に開催される東京五輪特需に乗り遅れるということ。五輪後は日本経済史上、経験したことのないような大不況が訪れると予想されている。今の制作体制が続くと、フジは壊滅的打撃を受ける」(広告代理店関係者)
この衝撃結果にフジ上層部が浮足立ったことは、容易に想像がつく。つまり、先鞭をつける形で30年間以上続いた『笑っていいとも!』を打ち切ったのだ。
「『笑っていいとも!』の打ち切りはフジの決意表明でもあったわけです。フジテレビ大躍進の象徴のタモリ(68)を降板させた。まさに番組打ち切り&タレント降板に関し、どんな例外も聖域も存在しないことを意味する。タモリの首切りを実現したことで、どのタレントに対しても『タモさんも降りて貰ったんです…』と言う殺し文句が使える訳です」(編成関係者)