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新米プロレスラーの死亡事故相次ぐ

 暮れも押し迫った昨年12月27日、プロレス界に悲しいニュースが飛び込んできた。金本浩二選手(新日本プロレス)の夫人で元プロレスラーのHikaruさん(本名・金本)が主宰するプロレスイベント「Happy Hour!!」の練習生、野村美和子さん(享年21)が同月21日に亡くなっていたことが分かったのだ。

 野村さんは同月16日、練習中に倒れ、脳卒中の疑いで手術を受けたが、21日に容態が急変し帰らぬ人となった。野村さんは城西大4年でソフトボール部のエース投手として活躍。昨年6月にシンガポールで開催されたアジアパシフィック選手権大会には、東日本大学女子選抜チームの一員として出場。3試合に登板して優勝に貢献した有望選手。しかし、ソフトボールがロンドン五輪の種目からはずされたため、プロレスラーへの道を選択。11月6日には同プロモーションのプロテストに合格し、春のデビューを目指していた矢先だった。

 野村さんだけではなく、ここのところ、新人プロレスラーや練習生が練習中に倒れるケースが相次いでいる。昨年6月23日にはアパッチプロレスの新人・力丸選手(享年38=本名・井上貴昭)が、東京・新木場1st RING大会前の練習中に倒れ、緊急手術を受けたが、7月13日に亡くなった。6月19日には新人プロレスラーのNARITA選手(チーム竜司)が、バトラーツの東京・北千住シアター1010大会の試合前の練習中に倒れ手術を受けた。

 少し、さかのぼれば、03年7月28日、プロレスデビューを目指してWJプロレス道場で練習していた、総合格闘家で前中日ドラゴンズ監督・落合博満氏の甥・ジャイアント落合選手(享年30=本名・岡田貴幸)が倒れ、開頭手術も空しく、同年8月8日に亡くなった。08年10月にはRofC我道會館の新人レスラー・由利大輔選手(享年25)が高度な技の受け身の練習で頭を打って亡くなったケースもあった。

 プロレスは身を守るための受け身を始め、頭から落ちる技が多く、頭部へのダメージが少なくない危険な競技。野村さんのようにアスリートとして活躍した体力ある者でも、このような事故に遭ってしまうこともある。今やプロレス団体、プロモーションも数知れず、安易にプロレスラーを志す者も多い。しかし、プロレスラーになるならば、危険な格闘技であることを十分認識した上で門を叩いてほしいものである。
(落合一郎)

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