「日ハム二軍本拠地の鎌ヶ谷スタジアムでは『大谷を見習え!』の野次も聞かれました。春のキャンプでも、大谷翔平の周りは大勢の報道陣が取り囲んでいましたが、斎藤は一人ですれ違っていきました」(スポーツライター・飯山満氏)
復活を懸けた今季、キャンプ中にはシュート習得に励むなど意気込みを見せていたが−−。
「斎藤はボールが捕手手前で“おじぎ”をするんです。ボールそのものに力がない」(スポーツ紙記者)
日ハムも投手陣の頭数は多くないが、それでも斎藤に一軍登板のチャンスがないのは“力不足”に尽きる。
「いや、斎藤の投球スタイルが合わないだけです。近年のパ・リーグ投手は速球派が多い。ダルビッシュや田中将大がそうであり、楽天・則本、西武・岸、千葉ロッテ・涌井、オリックス・金子など、一軍で活躍している投手は『力強い速球』を持っています。変化球主体で技巧派の斎藤は特異なのです」(前出・飯山氏)
環境を変えてやれば“蘇生”する可能性はある。
日ハムはBOS(ベースボール・オペレーション・システム)の先駆者的存在でもある。選手を数値化し“情”に流されない合理的なチーム補強を続けてきた。数値化する上で“人気”は大きなプラス材料となるが、今の斎藤は二軍球場でバッシングされている。まして日ハムは中田翔、大谷が看板選手となり、売り出し中の若手は投手・中村勝、捕手と野手の新二刀流・近藤健介だ。『斎藤放出』はあり得ない話ではない。
「広島は育成だけではなく、蘇生にも長けたチームです。1999年レンジャーズにドラフト1位指名されながらその素質を開花させられなかったコルビー・ルイス、2002年パイレーツから同じく1位指名され伸び悩んでいたバリントンを再生させた実績もある」(前出・ベテラン記者)
野村監督は今季、前スコアラーで腹心の畝龍実をコーチとして入閣させた。『投手兼分析コーチ』という珍しい肩書だ。現役時代の実績は目立たないが、選手の動作分析をさせたら右に出る者はおらず、中継ぎでブレイクした中田廉、巨人でくすぶっていた一岡竜司は同コーチの“作品”だ。
「金本知憲氏がカープ時代にレギュラーを獲得できたのは、畝コーチの指南のおかげともいわれています」(関係者)
広島には早大の同僚“ダブルエース”として共に活躍した福井優也もおり“蘇生”の下地は十分。果たして『斎藤獲得 第2エンジン着火!』となるか。