2月17日、阪神キャンプを訪問した野村克也氏が、ひょんなことで和田監督の“怒り”を爆発させた。野村氏が阪神の指揮官だった時代、和田監督は選手兼任コーチとして指導を受けていたのに、だ。
「野村氏も他意はなかったと思いますが、巨人の大型補強を指して『阪神はAクラス狙いでいいんじゃないか?』とアドバイスしたからです。要するに、肩の力を入れすぎるなというアドバイスだったんですが、和田監督は本気で怒っていました」(現地取材陣の一人)
何故、怒ったか? それは和田監督の優勝、打倒巨人に対する思いが本気だからである。
「指揮官が代わり、キャンプの練習メニューもかなり変わりました」(同)
その象徴的な新・練習メニューが『バントゲーム』である。バントゲームは、和田監督就任直後の昨秋キャンプから取り入れられている。「1回4アウト制」、「無死一塁からスタート(6回まで)」し、その名の通り、攻撃陣が選択できるのは“バント関連”の作戦のみ。ヒッティングに切り換えるバスターもOKだが、「1イニング1回まで」と制限されている。
無死一塁からのスタートで、4アウト制だから、『犠打3つ』で1点は入る計算だが、守る側も「バントをしてくる」のはわかっている。つまり、送りバントなら、確実に打球を失速させなければならず、セーフティーバントの場合は、ライン上や野手と野手の間を正確に狙わなければならない。
和田監督も「試合展開によっては、クリーンアップにも犠打のサインを出す。その準備を…」と語っており、新井貴、鳥谷などの主力メンバーも“強制参加”させられていた。バントゲームには、俊敏さと走塁センスが求められるため、「走れない選手はいらない」というわけである。その構想から外され、“お荷物”と化したのが、誰あろう、金本と城島だ。
「城島もこのバントゲームに加わったことがありました(11日)。捕手出身だけにクレバーなところもあるし、自分の置かれた状況がわかったんじゃないですか? 雨天で室内練習場に集合した16日には、人工芝でのバウンドを確認したいと自ら志願し、一塁手としての特守を受けていました」(スポーツ紙記者)