ブログの文章も面白かったのでどんな小説を書くか楽しみだが、それにしてもなぜ小説なのか。帰国子女のため英語が堪能な上に慶應大卒でもあり以前から本が好きだったり、お笑い芸人・品川ヒロシのデビュー小説『ドロップ』原作の映画主演に感化され、公開中の映画『BECK』でミュージシャンを演じた流れで、創作欲に芽生えたのだろうか。努力が実り俳優兼小説家ということになれば、夫人の病が回復した暁には原作主演を兼ねて映画を撮るなんてこともありそう。良い俳優だっただけに突然の休業は残念でならないが、ここはひとつ彼の才能を信じ、来るべき復活劇を待とうではないか。
麻薬ではないにせよ中毒性の高いものに魅入られた可能性はある。ただしそれは通常の麻薬のように刹那的快楽を与えるのではなく、恒常的に人生を豊かにしてくれたりする。麻薬を売る側に回れば罪が重くなるだけだが、それを作る側は逆に罪を改められる可能性にさえ満ちている。それを作るため本物の麻薬を使う人も稀にいるようだが、それさえあれば他の麻薬を必要としない者は多い。それに近い自覚症状がある僕には、水嶋ヒロが築き上げてきた人気の座を投げ打ってまで挑もうとする気持ちも分かる。それはいかなる麻薬よりも刺激的な活字中毒である。(工藤伸一)