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大ブーム『鬼滅の刃』も絶対に見ない? 流行を拒否する人の心理的特徴とは

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 最近ではもはや社会現象といえるほど大規模なブームとなっている『鬼滅の刃』。中には、まだ漫画や映画を見ていない人に対してバカにするような態度を取ったり、見ることをしつこく勧めるような情熱的なファンもいて、これらの行為には「キメハラ」と名が付けられ、話題を呼んでいる。「キメハラ」とされる内容の幅は広く、その他にも「『鬼滅の刃』が好きではない」と言えない雰囲気や、あらゆる商品のパッケージデザインに採用されていることに圧迫感を持つ人もいるようだ。

 その一方でどれだけ流行して、勧められても「漫画も映画も絶対に見ない」という人もいる。『鬼滅の刃』だけに限らず、このように世間で何か特定のものが流行している時、「自分は受け付けない」という姿勢を貫く人が一定数存在する。

 ​>>玉川氏『鬼滅の刃』に「ヒットすると見ない」、斎藤アナ「この映画で優しさを学んでほしい」発言で称賛の声<<​​​

 もちろん、そのコンテンツに対する好みの問題が関係している場合もあるが、ここでいう「流行を拒否する人」とは、コンテンツそのものが嫌いというわけではなく、あくまでも「はやっているものが嫌い」というタイプをさす。こうした人の心理には、一体どのようなメカニズムが働いているのだろうか。

 流行という現象のメカニズムを説明する代表的なものに、「イノベーター理論」というものがある。これは1962年にスタンフォード大学の社会学者エヴェリット・ロジャースによって提唱された理論で、流行の現象を構成している人々の、流行しているものに対する姿勢について5タイプに分類・定義されている。

 まず、全体の2.5%とされる「イノベーター(革新者)」のグループは、その他大勢の人がまだ取り入れていないような目新しいものに関心を示すタイプで、流行を作るパイオニア的存在である。
 「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」とも呼ばれる「アーリーアダプター(初期採用者)」は流行に敏感で、すすんで情報収集を行い、その情報を広める役割を持ち、全体の13.5%とされる。

 全体の34%を占める「アーリーマジョリティ(前期追随者)」は目新しいものを取り入れることにやや慎重なタイプだが、このグループが取り入れると流行が一気に広まる。

 アーリーマジョリティと同じ割合を占める「レイトマジョリティ(後期追随者)」は、目新しいものに対して懐疑的なタイプで、大多数が取り入れているところを確認してからやっと取り入れる、いわゆるはやり物好きのグループだ。

 そして、最も流行に対して慎重または無関心なのが、「ラガード(遅滞者)」というグループである。全体の16%ほどとされるラガードは、世間の動向に対して関心が低く、社会生活に定着するレベルにならなければ取り入れないタイプだ。このグループが取り入れればその流行は世間に浸透したということができる。ただし、ラガードの中には、徹底して流行を拒絶する者もいるという。

 流行がピークになるにつれ、取り入れる人たちが多くなり、その状況が、独自性の高いイノベーターが流行しているものに対する関心を低下させる。そして、独自性の強いイノベーターたちの新たなものへの関心によって、さらに新たな流行が作り出されるという循環のメカニズムがある。

 イノベーター理論の分類に基づいて考えると、流行を拒否する人は「イノベーター」か「ラガード」に当てはまるだろう。

 イノベータータイプの人なら、日頃から創造性や独創性にこそ価値があると感じ、大多数が同調しているものを敬遠する傾向があると考えられる。ラガードなら、商業戦術に食われたくない、あるいは同調圧力に屈したくないなど、負けず嫌いな心理的特徴を持っている人もいるだろう。いずれの場合にしても、同調性が低く主体性が高いタイプと言える。

 こうした独自性や主体性の高さから流行を拒否してしまうタイプの人は、同調性が高いタイプの人から見ると、うらやましく思えたり、場合によっては「気難しい人」「目立ちたがり」「付き合いづらい」などと捉えられることもある。

 しかし、それは相手に自分と同じ価値観を求めた時に生まれる捉え方であって、イノベーターやラガードにとっては、感覚的に生じる流行に対する嫌悪感を、どうすることもできないのだ。中には、「格好をつけたい」という理由で流行を拒否している場合もあるかもしれないが、多数派に流されないことに価値を置いているという時点ですでにイノベーターやラガードとしての要素があると言えるのではないだろうか。

 いずれのタイプにせよ、多様な価値観を尊重し、それぞれの個性を受け入れたいものだ。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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