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コロナ禍でも自粛警察がいない? ドイツ国民の意識を変えたメルケル首相の一言とは

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 コロナ禍で、日本では営業を自粛していない飲食店に嫌がらせをしたり、自粛に非協力的な人を過剰に批判する「自粛警察」と呼ばれる人々の行動が目立つとともに、感染者の個人情報を調べ上げ、感染者やその家族が嫌がらせ、バッシングを受ける「コロナ差別」が広がっている。新型コロナウイルスの感染防止への意識が高まる一方で、自粛警察やコロナ差別を問題視する人も増えているようだ。しかし、現在も新型コロナウイルスの感染者が日々増え続けているドイツではいわゆる自粛警察やコロナ差別のような存在がいないという。

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 ドイツのここ数日の新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数は500〜800人前後だが、感染した人を過剰に批判したり差別する風潮はあまり見受けられないそうだ。その大きな理由の一つに、ドイツのメルケル首相が行った会見での一言がある。

 ドイツで新型コロナウイルスが流行し始めたことを受けて開いた最初の会見で、メルケル首相は「ドイツの人口の6〜7割が新型コロナウイルスに感染する可能性がある」とはっきりと述べた。この一言で多くのドイツ国民が「新型コロナウイルスはほとんどの人が感染するものだ」という認識を高めたという。

 「隣国のイタリアからじわじわと感染が広がり始めた頃、人々の間にはモヤモヤとした不安が募っていました。しかしメルケル首相の一言で、『ほとんどの人が感染するのだから感染した人が悪いわけではない』と腹をすえたドイツ国民は多いと思います。会見の中でメルケル首相は『完全な封じ込めは難しい』と何度も強調しており、ある程度コロナが存在する生活を覚悟する人も増えました」(ドイツ在住日本人)

 初期段階でメルケル首相の一言があったせいか、ドイツでは新型コロナウイルスの感染を隠す人が少ない。それどころか、自ら告白する人もいるという。何万〜何十万人が集まるFacebookの地域グループでも、「コロナの症状があるけど、どこに連絡すればいいか」という投稿をしている人は多く、職場でも「コロナかもしれない」「コロナ患者と接触した」と隠さず伝えて休む。

 また、ドイツ人は法律に従う国民性であるという点も大きいだろう。法律で決まっていることが全てのため、制限が緩和され、飲食店が営業し始めることが法律で許された今、わざわざ自粛を呼びかける人はいない。法律で決められている以上、外出する人を責められないと認識している人が多いようだ。

 一方で、こういったドイツの国民性に不安を覚える日本人もいるという。
 「日本人は、人にうつさないのはもちろん、周りの目が気になって、法律で決められていなくても外出を自粛する人が多いと思います。しかしドイツでは、現在、公共交通機関や店などではマスクをしなければならないなどの制限はあるものの、ほとんどの生活が元に戻っており、念のため自粛を心掛けているという人や自粛を呼びかける人を、私は聞いたことがありません。しかし心配する様子もなく自宅などでパーティーを開いている人もおり、日本人の周りの目を気にする体質を知っている在独日本人からは『周りの目を気にすればもっと感染者が抑えられるのでは』という声も聞こえてきます」(前出・同)

 ドイツではピーク時、1日の感染者数が7000人以上だったが、ロックダウンをしたことで200人前後に減った。ロックダウンの緩和後は食肉工場や野菜栽培農場でクラスターが発生した時以外は、今のところ感染者数の急増はなく、1日当たり500〜800人前後に抑えている。

 メルケル首相の一言によって、ドイツ国民は新型コロナウイルスを“正しく怖がる”ことができているようだが、ドイツ人の性格を見ると、人の目を気にする日本人の性格が必ずしも悪いとは言えないようだ。

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