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野村克也さんが虚血性心不全で死去 冬に多い「入浴死」、予防のための6箇条

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野村克也さん(写真は楽天監督時代)

 2月11日未明に元プロ野球選手の野村克也さんが死去されたことが報道された。自宅の浴槽内でぐったりしているところを発見され、午前3時に死亡が確認されたという。84歳だった。
 入浴中に心肺停止状態になり、病院に運ばれるのは珍しいことではない。年間の死亡者数のうち交通事故の倍以上を浴槽内での溺死が占め、全年代で年々増加傾向、特に後期高齢者における溺死の死亡者数増加には著しいものがある。

 2001年の研究報告ではあるが、入浴中急死の原因は致死的な熱中症の病態ともいわれている。体温の上昇や低血圧による意識障害をきたし、浴槽から出られない、さらに体温が上昇してしまい死に至る、という病態だ。これまで、入浴死の原因の多くと考えられていた心臓病や頭蓋内出血の可能性は調査においては否定的だった。

 時期でいうと入浴事故の7割が冬、11月から3月を占める。急激な温度変化により血圧や脈拍が乱高下したり、失神や不整脈、心筋梗塞や脳梗塞など体調に変化が起きることをヒートショックと呼ぶ。
 報道されている野村監督の死因は虚血性心不全だ。心臓を覆う冠動脈が狭くなったり、詰まってしまい心臓に血流が運ばれなくなることを虚血といい、心不全は、心臓が担う全身へ血液を送るポンプ機能が破綻してしまう状態をさす。

 入浴中に突然心臓への血流が途絶え心臓のポンプ機能が破綻したことで心不全を発症したのだろうか。はたまた、もともと虚血により心機能が落ちていたところに、長風呂で血圧が低くなるなど入浴の負担から心不全を発症してしまったのだろうか。
 いずれにしてもヒートショックが引き起こした入浴死といえるだろう。40代でも明け方に風呂の中で発見される事例もあり、入浴死は決して高齢者に限ったことではない。避けるためには意識を失った場合に早く発見できるようにすること、体温が上がりすぎない入浴法をとることが必要だ。

  1. 入浴前に脱衣所、浴室を暖める
  2. 41℃以下の湯温で入浴時間は10分まで
  3. 浴室から急に立ち上がらない
  4. 食後すぐや酒に酔っている状態での入浴は避ける
  5. 精神安定剤や睡眠薬の服用後の入浴は危険
  6. 入浴前に同居者に一言声をかけ、見回ってもらう

 入浴自体は体を温めてくれて、免疫力の向上や寝付きをよくする、リラックス効果などメリットは大きい。しかし、深夜に高い湯温での長風呂や飲酒後の入浴は禁物であることは胸に留めておいてほしい。

本文中の引用について
消費者庁「冬季に多発する入浴中の事故にご注意ください!」より
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_181121_0001.pdf
厚生労働省「入浴関連事故の実態把握及び予防策に関する研究について」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002rkou-att/2r9852000002rkv5.pdf
文責:医師 木村ゆさみ

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