search
とじる
トップ > スポーツ > 終わってみれば「名将だった」!? 楽天・大久保新監督株が急上昇のワケ

終わってみれば「名将だった」!? 楽天・大久保新監督株が急上昇のワケ

 東北楽天ゴールデンイーグルスの大久保博元新監督(47)は、秋季キャンプ後半の11月16日に行われた紅白戦後に、将来のエース候補の松井裕樹(19)を指して「来季のクローザー候補の1人」と発言した。その後、楽天フロントは前広島の抑え投手ミコライオを獲得し、そのコンバート構想は立ち消えとなったが、好不調に関係なく中継ぎ投手を定期的に入れ換えるプランを明かすなど、大久保監督は就任後の“迷発言”が少なくない。しかし、この秋季キャンプを終えて、周囲の評価も変わりつつあるという。
 「他球団と比べても、中身の濃い秋季キャンプが送られたと思います。投内連係をメインとしたサインプレーが重視されていました。単に練習時間を長く割いたのではなく、個人練習から実戦形式へ、最後にチーム全体でサインプレーなどの組織野球へと日々の練習メニューが組まれており、その流れを『1つのプログラム』を見れば、楽天はそれを3往復した計算になります。コーチ人事がきちんと決まったのはキャンプ途中。新体制が整っていない状況で、これだけのキャンプをやってのけたのだから、大久保監督の手腕を素直に評価すべき」(スポーツライター飯山満氏)

 デーブ流のキャンプは、星野前監督時代とは大きく異なる。まず、紅白戦が5試合も行われた。練習の意義、目的を明確もした。先に挙がった『個人プレーから実戦へ』の流れを日程で組み立てたことにより、選手も「なぜ、この練習をやったのか」ということを自ずと考えるようになった。それを3往復したわけだから、1回目の投内連携プレーでできなかったことを2巡目の『個人練習』で補い、2回目に臨もうとする。選手各位に言い聞かせるのではなく、練習で感じ取るという意識改革なのだろう。
 「打撃コーチだった2012年、大学教授を連れてきて選手全員の心拍数を計測したんです。過度な緊張がいかにプレーに影響を及ぼすかを訴えていました」(関係者)

 大久保監督は引退直後から大学教授のもとを個人的に訪ね、心理学や運動生理学、栄養学なども学んできた。監督昇格を伝えられた際には準備不足を理由に断ろうとしたという。しかし、実際は違った。影で努力し、来るべき日に備えていたのである。
 大久保監督が“勉強家”に転じた理由は簡単だ。そもそも、プロ野球の監督の大半は輝かしい実績を持つスタープレーヤーが大多数である。近年では実績ではなく、卓越した理論で指導者に選ばれるOBも増えてきた。実績がさほどない大久保監督は、選手を納得させるための理論を習得しなければと自覚したのだろう。

 大久保政権は三木谷浩史オーナーのゴリ押しで誕生したという。立花陽三球団社長が就任会見で途中退場したことも重なり、大久保監督に対する懐疑的な視線は拍車を掛けて広がっていった。古巣西武を退団し、裁判沙汰になった経緯などから、大久保体制に批判的なファンも多い。監督候補として名前が報じられたころも、地元ファンが反対の署名を集めるなど、その嫌われ方はハンパではなかった。
 「大久保監督は自身に批判的なコーチ、フロント職員が多いことも分かっています。彼らに張り合うのではなく、『よくやってくれている、有り難い』とメディアに答えています」(スポーツ紙記者)

 三木谷オーナーの「(監督を)やらせてみたい」なる言葉は気まぐれではなかったのかもしれない。スタープレーヤーではなかった大久保監督は、「努力すればエリートには勝てる」という生きざまを見せてくれるだろうか。

スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ