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センバツ甲子園2016年「スカウトが注目する異色右腕」

 第88回選抜高校野球大会(3月20日開幕/以下=センバツ)が始まった。春の甲子園を征するには「2つの条件」を攻略しなければならない。1つは外野守備だ。春と夏では、外野の芝生を転がるボールのスピードが異なるという。3月の甲子園はプロ野球のペナントレースに備え、外野の芝生が再整備される。長丁場に耐えられるようにするため、芝生部分の土も固めに均されている。その影響で外野手の間を転がる打球速度が「夏の甲子園」よりも上がる。迅速な内外野の中継プレーができているか否か、1点を争う場面では大きく違ってくるのだ。

 2つ目は投手力だ。3月という時期である以上仕方ないのだが、打撃陣の調整は不足がちだ。走塁、犠打、右方向への進塁打を徹底させるなど「好投手攻略」に活路を見出す監督もいるが、投手がしっかりしているチームは有利である。センバツは強豪校敗退の波乱が多いのはそのためだ。

 「冬場のトレーニングで、どの出場校の投手たちも体を鍛え直しています。昨年秋の大会と比べ、どれくらい成長しているかが視察のポイント」
 ネット裏のスカウトたちの言葉だ。
 そんな投手に注目が集まるなか、異彩を放つ右腕もいる。21世紀枠で選ばれた長田高校(兵庫県)の園田涼輔(新3年)だ。
 同校は国公立大の理工学系への高い進学率を誇る。兵庫県の高校受験ガイドによれば、偏差値70とのこと。21世紀枠により、進学校の出場も珍しくなくなったが、長田高校は「投手・園田」で選ばれたと言っても過言ではない。公式戦6試合で奪った三振の数は66個(52イニング)。しかも、与四死球9。三振の数からしてパワータイプであることは間違いないが、制球力にも長けているのだ。
 「昨秋あたりから、『脱力』を覚えたというか…。70%の力で投げても、キレのあるボールが投げられるようになった」(在京球団スカウト)
 自己最速は140キロ。球速は「普通」だが、内外角のコーナーギリギリに投げ込み、ストライクカウントを稼ぐ。また、ボールに重量感があるからだろう。ファールになってしまう。スライダー、フォークボールが持ち球。スライダーは縦系の軌道、このボールは練習試合を視察したスカウトたちも高評価していた。素人判断だが、フォークボールはさほどの落差はない。しかし、ストレートとの球速差があるため、緩急の武器になっているようにも見えた。

 また、「兵庫県」「公立校」といえば、巨人のルーキー・桜井俊貴(22=立命館)が思い出される。
 当時を知る在阪球団スカウトがこう言う。
 「単純に投手成績を比べると、桜井よりも園田クンのほうが上。でも、桜井は強豪校との対戦も多く、園田クンはそういう学校との試合がほとんどないので」
 桜井も北須磨高校時代に頭角を表し、「公立の星」とも賞された。立命館大学進学後はプロを意識し、徹底的に自分を鍛え上げた。
 各スカウトは「伸びしろ」「将来性」で、園田を見ている。センバツ関連の報道によれば、園田は大学進学、将来は理工系への就職を希望し、週6日も進学塾に通っているとあった。センバツ大会のマウンドが、「次のステージでも野球を続けたい」と思う契機になればいいのだが…。(一部敬称略/スポーツライター・美山和也)

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