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巨人・楽天「Vの悲劇」 巨人・原監督が予告する冷徹大改革の全容(1)

 開幕前−−。今季で契約が満了することもあって「勇退」が予想されていた原辰徳監督(55)。采配能力は申し分ないものの、例の女性スキャンダルがネックとなり、読売新聞グループ内に長嶋茂雄終身名誉監督(77)とともに国民栄誉賞を授与された松井秀喜氏(39=前ヤンキース)を推す声が強まっていた。
 ところが、眼下の敵ともいえる松井氏が巨人の入閣要請を断り、ヤンキースでのコーチ留学が濃厚となったことで“再々延長”の流れができた。今回は、2年契約になる可能性が高いという。
 「続投が決まったのは、優勝した手前、クビにしたらファンが納得しないからです。長嶋さんの優勝回数を上回ったばかりか、平成では5連覇した西武・森祇晶(まさあき)監督を抜き、文字通り平成の名将に躍り出た。しかし、この先も盤石とはいかない。後ろ盾となってスキャンダルを不問に付してくれた加藤良三コミッショナーの辞任が決まり、また係争中の裁判で新たな展開ともなれば、次期コミッショナーが看過するとは思えないからです。その意味でも、来季の原監督はこれまで以上に強固な体制を築き、圧倒的な常勝軍団を作り上げる必要があるのです」(スポーツ紙記者)

 本誌が入手した情報でも、この先、原監督は「これまで経験したことのない大改革」を打ち出し、日本シリーズ明けから早速実行に移す考えだという。
 現在の巨人ナインを牛耳っているのは、4番で正捕手で主将の阿部慎之助(34)。渡邉恒雄球団会長の信頼も厚く、読売新聞社の役員人事に例えて「原監督を人事担当の専務取締役にすれば読売の部数はもっと伸びる。が、阿部は社長にしても成り立つ」と、この人一流の表現で両者の能力を比べている。
 その阿部は“番長”清原和博氏がチームを去った後、唯一最大の派閥を築き上げ、原監督をしのぐ影響力と存在感を見せつけている。今年もグアムで自主トレを主宰し、長野久義、坂本勇人、内海哲也、山口鉄也、澤村拓一らが参加。この5人のメンバーはそのままWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の山本ジャパンに入り、開幕直前まで原巨人とは別個のスケジュールをこなした。

 このとき、原監督と阿部との間で決定的な亀裂が生じたという。チーム本体を離れた阿部が日本代表の山本浩二監督と親密になり、ポスト原監督の政権作りについて意見を交わしていた、と。読売本社内には松井政権までの布石として、山本監督-松井助監督という構想もあり、阿部も一枚かんでいたというのだ。
 将来の巨人監督をうかがう阿部としては年齢的に“松井の次”を狙っており、原監督のこれ以上の続投は望んでいない。
 一方の原監督は、阿部派の若頭的存在の坂本と澤村が今季そろって不振を極めたことで、阿部に対する猜疑心が一層深まっているのだという。

 そこで早速、阿部へ刺客を向けることで反撃に出た。巨人は今秋のドラフトで桐光学園の左腕・松井裕樹投手を1位指名する準備を整えていたが、原監督の「慎之助の後の捕手を真剣に考えないといけない時期に来ている」という一言で方向転換が決まったという。藤浪晋太郎投手(阪神)と大阪桐蔭でバッテリーを組んでいた森友哉捕手である。
 巨人は、実力に加えスターの要素も兼ね備える“ドクターK”松井指名を最優先させる方針だったのだが、今夏の神奈川県予選敗退で一段評価を落とした。森は二番手評価だったが、甲子園初戦(日本文理戦)の2打席連続本塁打で急上昇。阿部への布石もあり、森の1位指名に切り替えたのだ。

 阿部への刺客はさらに続く。今オフのFA市場にも手を伸ばし、国内FAを取得した日本ハムの鶴岡慎也捕手(32)の獲得準備を進めているのだ。レンジャーズで活躍するダルビッシュの日本ハム時代の正妻で、昨年はチームをリーグ優勝に導き、ベストナインにも選ばれた。今季もチーム主将を務め、打率3割を維持している。
 日本ハムには二番手捕手の大野奨太(26)が急成長しているのに加え、高卒2年目の近藤健介という好素材もおり、鶴岡が日ハムを出るのは確実だ。
 「鶴岡に対しては、藤井彰人、日高剛、清水誉の3捕手で何とかやりくりしている阪神も名乗りを上げるでしょうが、原監督と栗山監督は兄弟のように結び付きが強い。巨人入りで決まりでしょう。鶴岡こそが有事の阿部に対する最大の備えでしょうから」(セ某球団の編成担当)

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