結成20周年記念で今年9月に発売されたものだが、売れ行きはかなりのもの。'07年に大ヒットした『ビリーズ・ブート・キャンプ』の30万枚を軽く超え、50万枚に達したという。そのため発売元エイべックスの'13年3月期中間決算は好転し、経常利益が40億円から70億円へと上方修正した。
中身は、サム(SAM)、エツ(ETSU)、チハル(CHIHARU)の3人がオリジナルの振り付けを考案し、これまでのヒット曲3曲を歌いながらレッスンするというもの。
「ワンセット9800円のため、発表通り50万枚売れたとしたら約49億円の売り上げになります」(音楽雑誌編集者)
となれば作詞・作曲者に5〜10%の詞と曲の印税が入る。受け取るのは3曲とも作詞・作曲し、TRFの生みの親でもある小室哲哉である。もともとTRFは『TK・RAVE・FACTORY』の略で、グループは彼の分身みたいなものだった。
だが、小室哲哉が手にする額について「ゼロでしょうね」と意外な返答をするのはエイベックス関係者。
「仮に作詞3%、作曲が3%、計6%を印税とした場合、おおまかに言って2億9000万円程度が小室の懐に入る。だが、実際には小室が大金を見ることはないはずです」
というのも、小室はエイベックス松浦勝人社長に借金があるからだ。
'08年、小室は芦屋市の会社社長に音楽著作権の売却話を持ちかけ、5億円を詐取した疑いで逮捕・起訴された。
懲役3年、執行猶予5年の判決を受けたが、小室が騙し取ったとされる5億円を松浦社長が立替え、諸経費を足して6億5000万円にして相手に支払ったため、小室は実刑を逃れることができたのである。
小室はその借金をいまだに松浦社長に払っているため、TRFの印税はもらえないというわけ。
小室の懐事情は多少、好転してきてはいるが、完済までの道のりは遠い。