昨年売れに売れたベスト版を破くアムロ=パクリ。そんな話題性? もあり、『PAST<FUTURE』の売れ行きは好調。どうやら日韓で同時にコマーシャルする為に、わざわざ著作権のゆるい韓国のメディアを利用した模様。日韓のこうした芸能の噂は、すぐ中国・香港までに波及する。アムロの目指す先は億単位のアジア・マーケット。欧米、特にアメリカウケするダンスの実力、セレブ要素も高いアムロだが、積極的な活動は国内のみ。下手に米でビューして失敗した宇多田ヒカルの同じ轍は踏まない気のようだ。
数年前、宇多田ヒカルが米デビューした際、宇多田の特徴である後ろ向きのウェット感は受け入れられなかった。しかも日本と正反対の宇多田の“尻軽のビッチ”といういでたちが、(歌詞も過激な外人仕様。)「藤圭子の娘」というブランドに飛びついた日系人に激しく拒絶され、大きなイメージダウンになった。20数年前から米でCDを発売している松田聖子しかり、いまだ欧米ではアジア人女性のセクシーには限界があり、まだまだ音楽界は女子フィギアスケートやメジャーリーグのように日本人が活躍できる場ではなさそう。まずまずのヒットは日本の“カワイイ”が子供達にウケたパフィーぐらい。しかし彼女たちも、大人にはあまりウケなかった。
安室奈美恵の歌う曲の歌詞は、サビや出だしの日本語が字余りでダサい。また、感情も無い。ダンサブルな音楽に声が乗っていればそれでいいつくりだ。実はこれが、欧米に進出する際の大事な要素でもある。特にアメリカ人は音楽に多くを求めず、常にBGMを求める。更に、安室と日本が誇るアニメ・ガンダムのアムロのコラボ。これもダサい。でも外人は好きだろうし、踊れない宇多田ヒカルや、松田聖子に比べて安室奈美恵のPVは躍動感があり、ビジュアル的にもアメリカ人好みだ。更に安っぽい芸人との熱愛とか、シングルマザーである立場、家族の悲劇まで、安室奈美恵には欧米の“ゴシップセレブ”の要素も満載で、アムロがアメリカで売れる可能性は高い。
しかし、安室奈美恵サイドは、国内・アジアのマーケットに固執し、下手に欧米進出をしたがらない。デビューから一貫して欧米スタイルを貫いてきた安室本人はそういう夢もあるであろうが、なにしろ国内で売れるのが一番儲かるので、まわりがそうさせないのかもしれない。レコード会社の金儲け主義が、アムロを世界的アーティストに羽ばたくチャンスを潰している。世界中が不況でデフレ気味になっている今、キティちゃんを始め日本の可愛らしさが世界に大ウケ、アムロの作り出す安っぽいゴージャス感は時代に合っている。あと数年で旬が過ぎる安室奈美恵。やるなら今だろう。(コアラみどり)
写真 (昨年売れに売れたアムロちゃんのベスト版CD。)