10月末に発表された『BG』出演者は、民間警備会社のボディーガードで主人公の木村と対立する警視庁SP役に江口洋介、木村の仲間のボディーガード役に斎藤工、間宮祥太朗、菜々緒。それをまとめる課長役に上川隆也を起用。さらに厚労相役に石田ゆり子まで加わり、キャスティングだけでも莫大な費用になる。
「当初、木村のドラマはフジテレビが秋から“月9ドラマ”として放送する予定だったのですが、木村を押していたフジの亀山千広社長が退任したことで白紙となり、テレ朝に回ってきた。テレ朝としては棚ボタではあるものの、『ドクターX』と同じ木曜ドラマ枠で失敗は許されない。しかし、出演ギャラだけで『ドクターX』を超えてしまったことで、現場にかかるプレッシャーも半端ではない」(テレ朝関係者)
そのギャラは、木村と主演クラスの江口・斎藤・上川・石田の5人だけで、1本当たり軽く1000万円を超えるという。
「これに、まだ決まっていないヒロイン役のギャラが加わる。木村は、綾瀬はるか、石原さとみ、有村架純などを指名していますが、スケジュールの都合で決まらない。結局、ギャラを上げて交渉するしかないのですが、3人とも基本、200万円以上ですからね」(同)
出演料に加え、ボディーガードが主人公だけに、車の爆破や派手なガンアクションシーンも展開される。そのため、諸経費を入れると1本当たり1億1000万円以上の制作費になると言われているのだ。
「これだと、『ドクターX』のように20%前後の視聴率を取らないと採算が合わない。ちなみに今年1月期、こちらも豪華キャストを起用した木村主演の『A LIFE〜愛しき人よ〜』は、平均視聴率14.5%で苦戦している。木村だけでは数字が取れない不安からのキャスティングでしょうが、結果的に想定以上になった制作費は、テレ朝上層部にとって頭が痛いと思いますよ」(テレビ誌記者)
もはや木村拓哉の名だけでは数字が取れない。破れかぶれで『テレ朝』がひねり出したのは“全員主役”の苦肉の策だった。