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交流戦でセに待望のニューヒーロー

 8勝6敗の巨人の6位が最高位、後の5球団は負け越しばかりで、8位から12位に中日、阪神、広島、横浜、ヤクルトとズラリ名を連ねる惨状の交流戦でのセ・リーグ(31日現在)。「リーグ3連覇の巨人もパ・リーグに来れば、最下位争いか」などと言われ放題でも、反論の余地はないだろう。

 そんな中で唯一の光明は、プロ入り4年目のマエケンこと広島・前田健太だ。交流戦3試合3連勝、失点わずか1。日本ハム・ダルビッシュ、ロッテ・成瀬とのエース対決も制している。5月の通算成績が4勝1敗、防御率1.35。6月4日に発表されるセ・リーグ月間MVP投手賞の最有力候補になっているのも当然だ。
 「今度は取れればうれしいですね。4月は取れなかったので、選ぶ人の情けがあってもいいかな」。前田本人がこう言うのは、3、4月も4勝1敗、防御率1.53の成績をあげながら、月間MVP争いで巨人・東野に敗れているからだ。今度こそ月間MVPをという、前田の願いを叶えてやるのは、むしろ当たり前だろう。
 交流戦で赤っ恥をかいてばかりのセ・リーグ球団にあって、唯一誇れる存在が前田なのだから。「なんでパ・リーグだけに、ダルビッシュ、岩隈、田中、涌井、岸、杉内といった、日本を代表する投手が集まっているのだろう。セ・リーグにいないのはなにが原因なのか」。球界関係者、ファンから噴出していた不満を前田が解消する存在になろうとしているからだ。

 今季通算8勝は巨人・東野と並ぶハーラーダービーのトップ、投球回数87回、74奪三振、防御率1.45も、すべてリーグ1位と文句なしの成績だ。PL学園から入団して、5勝8敗、9勝2敗、8勝14敗と着実に実力をつけ、4年目の今季、飛躍しようとしている。「投げるたびに存在感を増し、頼りがいがある」と広島・野村監督が手放しで絶賛する。
 大野ヘッドコーチ兼投手コーチにすれば、有言実行といえる。昨年まで、投手にとって最高の栄誉である沢村賞の選考委員を務めていた大野氏は、「なぜセ・リーグから沢村賞投手が出ないのか」という厳しい質問を受けている。セの投手では04年の中日・川上(現アトランタ・ブレーブス)を最後に出ておらず、05年以降は、ソフトバンク・杉内、斉藤、日本ハム・ダルビッシュ、楽天・岩隈、西武・涌井と、パのエースたちが独占しているからだ。
 そのシビアな問いかけに対し、すでに古巣・広島への復帰が決まっていた大野コーチは、「本当にセ・リーグOBとしては寂しい限りだ。自分が沢村賞投手を育てます」と明言している。88年に広島の左腕エースとして受賞しているだけに、沢村賞の価値を誰よりもよく知っており、頭の中に前田の存在があったから「自分が育てます」発言が自然と飛び出したのだ。

 そして言葉通り、リーグ戦同様に「パ高セ低」の交流戦でもその実力をいかんなく発揮している前田の姿に大野コーチは内心、大きな手応えを感じているだろう。前田本人も「背番号の18は勝ちたい」と力強く宣言している。公約通り18勝して、投球回数、防御率、奪三振1位を死守すれば、沢村賞の有力候補にあげられる。交流戦で躍り出たセ・リーグのニューヒーローの今後に注目だ。

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