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吉田えり獲得でGBLがジャパンマネーを狙う

 アメリカはナックル姫をどうやって『ジャパンマネー』に換金するのか−−。

 ナックル姫こと、吉田えり(18)がアメリカ独立リーグ『チコ・アウトローズ』に入団した。去る4月20日に行われた入団会見では「チャンスを逃したくない」と意気込みを語っていたが、独立リーグ経営陣は今回の吉田獲得に“プラスアルファー”の含みも秘めていた。
 チコ・アウトローズは『ゴールデンベースボールリーグ』(以下GBL)という名将の独立リーグ組織に所属するカリフォルニア州に本拠地を置くチームだ。アメリカにはいくつかの独立リーグ組織があり、実力差にも大きな差がある。吉田を受け入れたGBLの実力だが、昨季、伊良部秀輝投手がプレーしたロングビーチ・アーマダも同リーグ所属チームであり、また、吉田と前後して元阪神・辻本賢人投手(21)も同リーグの『マウイ・イカイカ』に入団。「二軍とはいえ、日本のプロ野球を経験した辻本も即入団とはならなかった」なる現地情報を聞けば、ハイレベルな野球リーグであることは間違いないようだ。
 「吉田はGBLの北地区、辻本は南地区のチームなのでシーズン中の対戦はありません。双方がプレーオフに進出すれば…」(米特派員の1人)

 吉田の挑戦にケチを付けるわけではないが、伊良部、辻本両投手と同じレベルの“オトコ世界”に入っても、大丈夫なのだろうか。
 日本にも女子の硬式野球組織はある。4月に開幕した『日本女子プロ野球機構』がそうであり、これまでにも女子選手は代表チームを編成し、世界大会を戦ってきた実績もある。その女子・日本野球代表の関係者によれば、吉田は代表選考のセレクションを何度か受験している。しかし、代表メンバーには残れなかった。
 「当時の吉田は現在のサイドスローではなく、スリークオーターでした。ナックルを投げていましたが、『(ナックルの)揺れ幅が小さ過ぎる』と酷評され、涙を呑んでいます」(同)
 その後、関西独立リーグを経て今日に至っている。「これからの選手」として期待し、獲得を決めたのだろうが、前出の米特派員はこう言う。「GBLを経営するゴールデンスポーツ&エンタテイメント社は、ドライな経営スタイルで知られています」と−−。
 事実、伊良部投手の在籍した『ロングビーチ・アーマダ』は09年限りで消滅している。「採算が合わないと判断すれば、そのチームは容赦なく潰す(脱会させる)」(同)という経営方針で、05年には日本人選手だけで構成されていた『ジャパン・サムライ・ベアーズ』も切り捨てられ、05年以降で計6球団が同リーグから“消滅”している。もちろん、新規参入した球団も多くあり、辻本を獲得した『マウイ・イカイカ』もその1つだ(09年)。
 「ロングビーチ・アーマダが伊良部獲得を即決したのは経営面での起死回生も期待していたからです。彼のおかげで日本のメディアに注目されるようになりましたが…」(同)

 GBL経営陣は吉田獲得後、リーグ関連の商品や観戦ツアーなどのビジネスも彼女側に持ち掛けてきた。吉田サイドは“辞退”したが、GBLは日本メディアを巻き込み、その機運を高めたいと思っている。かつて彼女が在籍した関西独立リーグ・神戸9クルーズのグッズが完売したとの話は聞かれなかった。GBLの容赦ないビジネススタイルの影響で、吉田は野球に専念できないかもしれない…。

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