スケールモデルとは、主に実際に存在する車や兵器などを、縮尺して再現したプラモデルのことを指すが、作るのが難しいなどの理由で、最近ではガンプラなどのキャラクター系プラモデルしか作ったこともない人も多いはず。しかし最近は、スケールモデルの人気の再燃により、新商品などで、作りやすいキットなども増えているので、スケールモデルの世界に入るのに絶好の機会なのだ。
キャラクター系プラモデルからステップアップするのに一番良いのが、国内メーカーの戦車のプラモデルだ。なぜかといえば、スケールモデルの中では比較的部品点数が少なく、比較的初心者でも組やすいところ、角ばったパーツが多いので比較的塗装も簡単という点があるからだ。しかも、戦車プラモデルは国内メーカーの技術が非常に高く、ただ組むだけでも、かなりの完成度がある。
今回のイベントの新商品でも、多数の新商品があったが、なかでも、今年の秋発売予定のタミヤ製の「1/35 M4A3E8 シャーマン イージーエイト(ヨーロッパ戦線)」は、同社の技術力の高さが反映されており、部品点数を少なくしつつも完成度を損なっていない。担当者の話によると、初心者でもかなり作りやすい構造になっているとのこと。
また、この商品は価格もスケールモデルとしては低価格に抑えられている。実は、最近戦車のスケールモデルは、特に海外メーカーのプラモデルなどで、6000〜7000円前後という高価格化傾向が続いていたが、この商品はなんと3600円(税別)で販売するそう。そういった意味でも、スケールモデルの作り始めとしては良いキットだろう。
他にも、今回展示されていた商品の中では、ファインモールドの「1/35 『ガールズ&パンツァー』劇場版 知波単学園 九五式軽戦車」もオススメだ。この商品は11月に劇場版を放映予定のアニメ『ガールズ&パンツァー』(ガルパン)とのコラボキットになっている。
アニメとのコラボキットとはいえ、同作は弟2次大戦時に登場した戦車を操縦して「戦車道」という競技をするという作品なので、エンブレムや、各部の細かいパーツを除くと従来のスケールモデルそのものといっていい。しかも、版権モノのプラモデルという側面も持っているので、メーカー側が作りやすさにかなり配慮している。
担当者の話によると今回はコラボ商品向けに他の商品のパーツを流用せず、完全新規の金型で製作したそうで、作りやすさを重視しつつも、完成度にはこだわっているそうだ。発売は、今年の11月上旬予定で、ガルパンの劇場版放映と同時期に発売して大きな需要を狙うとのこと。しかし、ガルパンの制作サイドからは「このタイプの戦車が登場する」としか説明は受けてないようで、「どれだけ活躍するのかはわからないんですけどね」と、売上の重要な要素となる、本編の扱われ方について、若干の心配はしていた。
実は戦車プラモデル以外にも、艦船のプラモデルもブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』やアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のブームにより、各メーカー新規のキット開発が盛んとなっており、今回のイベントでも新商品が多数展示されていた。また、戦闘機のプラモデルも、2013年の『風立ちぬ』や『永遠の0』の映画公開以降、新商品の発表が続いている、これを機会にスケールモデルの世界に触れてみてはどうだろうか?(斎藤雅道)