姉の美央と妹のイオは正真正銘の姉妹で、フリーの橋本友彦が主宰するMAKEHENで2007年3月にデビュー。当初から姉妹タッグで売り出され、試合巧者の植松寿絵がコーチ役となり、大事に育てられてきた。
この姉妹の可能性を最初に見いだしたのが誰あろう風香だったことは意外に知られていない。風香は自らがプロデュースする「風香祭」の第1回から姉妹を抜てき。リングアナでチョーク・アーティストのRICAと4人でパニック・パワーというユニットを結成し、歌や踊りのパフォーマンスで、2人の存在能力を引き出したのだ。
姉の美央はキックを得意とする美女系のルックスで、高飛車な姉御というキャラクター。格闘技的な闘いにも起用される、まさに風香を目標にする一人。妹のイオはヤンキー風の雰囲気だが、実際は歌手のmisono似のかわいらしさも兼ね添える。だが最大の魅力は、器械体操のキャリアを生かした立体殺法で、抜群の身体能力を持つ天才肌の逸材。今年の7月には夏樹☆たいようが保持したNEO認定ハイスピード王座にも挑戦した。
冷静沈着な姉と元気印の妹という、まるでザ・ファンクスの女版のような姉妹タッグだが、この2年半を振り返り「今までは人に顔が整っていると言われて意識してきましたが、実際は言いたいことをバッサリ言う男勝りなので、それを試合でも隠さずおくさず出すようにしたら、伸び伸びやれるようになった」(美央)。「最初は何が楽しいのかと思ってやってきたけど、プロレスの楽しさがわかってきて今後も続けたい」(イオ)という。
現在、TWL世界女子ヤング・タッグ王者に君臨する姉妹だが、これは今春トーナメントに勝ち抜き、初代王座を獲得。若手世代で唯一の本格的なタッグチームという自負がある。「自分たちが先陣を切って破天荒な紫雷姉妹としてガンガンつぶしていきたい!」と美央が言えば、「デビューした時からタッグを約束されたようなベスト・オブ・タッグなので、このベルトを防衛し続けたい!」とイオも強気の姿勢だ。
また、ポスト風香というテーマに関して美央は「ポスト風香ではなく、次に出てきたのは紫雷姉妹なんだと言わせたい」といい切る。イオは「ポスト風香の候補に選んでいただいて光栄ですが、風香さんとは部類が違うので(笑)。パニック・パワーをやっていたので暖かく見守ってほしいですね」と謙虚に語る。
これまで日本の女子プロレスの歴史で、姉妹タッグは皆無だっただけに、おのずと注目が集まる。
「タッグとしての地位を確立したいし、試合内容を良くしていきたい。私は周りから才能があると言われていたので努力したい。風香祭がなくなるので早いうちに紫雷祭を開催しますよ(笑)!」と宣言した。