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7人に1人が患う七転八倒の激痛 「尿路結石」を回避する食事法(1)

 尿の成分が結晶になり、ときに卒倒しそうな激しい痛みを伴うのが尿路結石(にょうろけっせき)だ。患者は増え続け、日本では男性7人に1人、女性は15人に1人が、一生に1度はかかるといわれる。再発や腎臓の機能低下、動脈硬化の誘発を防ぐため、生活習慣の改善など、しっかりと対処する必要がある。

 尿路結石は、尿路系に沈着する結晶の石のことを指し、石が詰まってしまう事により起きる症状をいうのだが、結石の位置によって呼び名も違う。
 「腎盂(じんう)」や「腎杯(じんぱい)」もあれば、「腎臓結石」、さらに尿管に下がってくれば「尿管結石」、膀胱内にあれば「膀胱結石」、尿道に引っ掛かっていれば「尿道結石」。また、サンゴのような形をした腎臓内の大きな結石を「サンゴ状結石」とも呼ぶ。専門家によると、これらの結石障害を総じて「尿路結石」と呼ぶという。

 自覚症状がある場合は、しばしば激痛発作を伴う。その痛みは“痛みの王様(king of pain)”といわれるほどの激痛で、脇腹や背中側当たりの痛みで倒れ込んだり、のたうち回るほどだ。結石とわかった後の治療法は、腎臓で出来た石は尿管に落ちるため、そこを専用の装置で体外から衝撃波を当てて石を砕くESWLという方法が1980年代半ばに、国内に導入されて以来、治療の主流になってきた。
 これによって、それまでの手術と比べて、患者の負担は大きく減ったが、衝撃波で他の組織を傷つける心配は残る。また砕いた破片は、自然に出てくるのを待たなければならない。

 なので最近は内視鏡を使ったTUL(軽尿道的尿管砕石術)という治療法が広まってきている。尿道から細い管を入れ、先端に付いたレーザーで石を粉砕。そのまま破片を回収して、体外に取り出せる。しかし、気持ちのいいものじゃないし、その上、石の大きさ次第で誰にでも適用できるわけではない。しかし、石を確実に取り除けるTULは、患者の満足度が高いという。
 また一方で、自然排石を早める新薬の治験が進められている。海外では効果が認められ、国内でも順調にいけば3年以内に、10ミリ以下の結石なら、自然排石が出来る見込みだと専門家は言う。

 尿路結石の発症メカニズムについて、あらためて昭和大学病院泌尿器科担当医に説明してもらった。
 「結石というのは、多くの人にしばしばできているものです。石の大きさが尿管よりも小さければ、自然に尿管の中を移動して排尿とともに排出されてしまう。ですから、痛みも発生しないし本人は何も感じない。しかし、尿などが濃くなって出来た結石が尿管と同じか、それより大きい場合、尿管を塞いでしまう。そして、腎臓で尿が作られるにつれ、腎臓から結石の位置までの圧力が高まり激しい痛みが出ます。この状態でCT撮影を行うと、ほとんどの場合、腎臓肥大が起きています」

 尿路結石の調査では発症しやすい年齢は30歳とされ、青年期から壮年期にかけて発症率が高くなる。要因の一つは、よく言われる「食習慣の欧米化」で、生活習慣病に分類されている。
 生活習慣病の改善運動に取り組む栄養管理士・前田和美さんは言う。
 「尿成分の分析結果で言いますと、卵や肉、魚の内臓はなるべく避け、野菜を多く摂るよう心がけてください。ただしホウレンソウやちりめんじゃこ、タケノコは、石を作るシュウ酸を多く含むため、ワカメと一緒に食べてください。カルシウムを一緒に取れば、腸で吸収される前に結合して多くが便として排出されますのを知っておくべきです」

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