こう怒りを爆発させるのは、10月1日に東京・渋谷のオーチャードホールで行われた薬師丸ひろ子(49)のコンサートに参加した音楽関係者。薬師丸は9月に終了したNHKの朝ドラ『あまちゃん』で、歌の下手なスター女優・鈴鹿ひろ美を好演していたのはご存じの通りだが、このコンサートが最悪だったというのだ。
「この日のコンサートは、番組終了からわずか3日後。観客には番組を見てファンになった者が多く、薬師丸が『あまちゃん』の劇中で歌った『潮騒のメモリー』が聴きたくて来たわけです。ところが、MCで『あまちゃん』の話題には触れたものの、なかなか歌おうとしない。終盤に差し掛かるにつれて、『え!? まさか歌わないってことないよね』と会場中に不穏な空気が漂い始めたんです」(同)
放送最終週、歌が下手な鈴鹿(薬師丸)が特訓を受けて、初めて人前で『潮騒のメモリー』を歌うシーンがあったのだが、その優しく澄んだ歌声が視聴者に大好評。作品中屈指の感動シーンとなっただけに、観客が期待するのも当然だろう。
「アンコールになって、いよいよ歌ってくれるかなと思ったんですが、結局、それも違う曲。作品の舞台となった東北から、東京までやってきたファンのおばちゃんたちは、『なんかダマされた気分よぉ〜』なんて言いながら、会場をあとにしていました。正直、私も同じ気持ちでした」(同)
もっとも、観客の怒りが倍増したのは、このコンサートのチケット代にも原因があったとみられる。
「“やくしまる”の語呂合わせで8940円と、なかなかの高額だったんです。そのため、ファンも最初は『洒落てる』なんて話してましたが、帰りには『ふざけている!』とカンカンだったようです」(芸能記者)
観客にとっては、まさにとんだメモリーとなってしまったようだ。