「鳩山さんですか? ええ、よくいらっしゃいます。9日に来店されたときはチリドッグ(320円、税込み=以下同)、モスライスバーガーきんぴら(280円)、テリヤキチキンバーガー(320円)をテークアウトされました。特にチリドッグは必ずご注文くださいます。新首相に食べていただけるのは、やっぱり嬉しいですよね」(モスバーガー洗足池店の女性店員)
自らハンバーガーをテークアウトする首相はおそらく初めて。鳩山氏はモスがお気に入りで、1週間と空けず15日にも立ち寄っている。店内で食べるのは気が引けるのか、利用は毎回テークアウトという。購入個数からみて自宅で幸夫人(66)と食べているのだろう。米スタンフォード大学に留学経験を持つ鳩山氏らしい、実にアメリカナイズされた食生活だ。
さらに詳しい情報を聞こうとしたが、「上の方からあまりしゃべらないようにと言われているので…」(前出の店員)と、話してもらえたのはここまでだった。
9日の来店は午後9時すぎ、連立を組む3党党首会談をこなし、幸夫人とお台場アニメ映画鑑賞デートの帰り道だった。15日は新閣僚に内定連絡した後で、大仕事のあとに来店する傾向がある。
外食産業に詳しいジャーナリストは「いまやモスは国内1300店舗でマクドナルドに次ぐシェアを誇る。素材のよさと、注文を受けてからパテ(肉)を焼き上げるなど丁寧な仕事で女性客のハートをつかんだ。鳩山氏のオーダーしたテリヤキチキンバーガー、モスライスバーガーきんぴらはいずれも人気定番メニューで、ファストフードに精通したかなりのB級グルメ通だ」と解説する。
自民党政権下では、東京・赤坂の高級料亭などで密談する“料亭政治”が幅を利かせた。麻生前首相もそうした料亭に顔を出し、高級ホテルのバー通いにも悪びれず、国民の信頼を損なっていった。鳩山一家は麻生財閥の上をいく超セレブリティーだが、この調子ならば心配なさそう。自宅に政治家を招く“ファストフード・テークアウト政治”が実現するかもしれない。
「鳩山氏の通う飲食店はどこも高級店というより味自慢の店です。仏ベーカリーショップ『メゾン・カイザー』もお気に入りのようですが、そこそこの値段でおいしいものをよく知ってらっしゃる。“この店ならコレ”というのをはずさないのは、料理本を何冊も出している奥さまの影響でしょう」と出版関係者。
モスで同じメニューを食べた。確かにおいしいし、新首相と同じ食事ができるのは少し幸せな気分。唯一、気になったのは、宮崎県産鶏を使ったチキン南蛮バーガー(350円)を購入しなかったことぐらいだ。東国原英夫知事が推薦する一品で、店頭にも顔写真入りの大きなPRポスターが貼られている。東国原氏には興味がない?
いずれにせよ、庶民感覚を忘れぬためにもB級グルメ道をまい進してもらいたいものだ。
◎こんな店にも
東急東横線自由が丘駅正面口から徒歩約6分の中華料理店「泰興楼(たいこうろう)」には幸夫人とよく訪れる。同店によると、ランチタイムが多く、黄色のニラ炒め(1260円)、焼ギョーザ(6個1166円)などを注文するとのこと。焼ギョーザは直径20センチのビッグサイズで餡もぎっしり。男性店員は「夫婦で仲がよさそう。とてもいい人」とほめちぎる。
東急東横線田園調布駅前の焼き鳥店「鳥(とりえい)」もよく利用している。夕方には会社帰りのサラリーマンであふれる同店では、大ぶりのもも焼き(840円)やハツ(158円)、軟骨(158円)、銀杏(210円)などを食べたり持ち帰ったり。リーズナブルながら肉がジューシーで味がしっかりしている。国会議員を連れてくることもあるという。
東急東横線田園調布駅前のパン店「MAISON KAYSER(メゾン・カイザー)」には幸夫人がよく来るという。12日には夫婦で訪れ、生バジルのチャパタ(283円)、ブレッサンヌポワー(294円)、マスタードベーコン(283円)、レモンパイ(273円)を購入。
生バジルのチャパタはもっちりしてボリュームもある。
◎セレブですから
鳩山氏は日本を代表するセレブゆえ、ファストフードや焼き鳥だけで満足しているわけではない。ホテルニューオータニの日本料理店「千羽鶴」やフレンチの有名店「オテル・ドゥ・ミクニ」などの高級店にも足を運んでいる。「千羽鶴」はランチで1万円から、ディナーだと2万5000円からになる。