48歳になった小谷は、歴代キャスターの中でもっとも長い15年も務めた。交代要因は、小谷のマンネリ司会による視聴率不振(平均4%前後)とギャラの高さであろう。
「テレ東にベルトで出ている数少ない“タレント”の一人が小谷。BSも含めた専属契約なので、1回の出演料は推定30万円で週150万円。年50週換算で年収は7500万円にものぼる」(テレビ業界事情通)
また、テレ東は'15年秋に現在の港区虎ノ門から六本木へ移転する。新社屋では地上デジタル放送とBSデジタル放送を一体化した設備を構築するが、移転にともなう費用は180億円という。
'14年3月期決算では売り上げ1193億円、経常利益が41億円を見込むが、この中での転居費としてはかなり負担になるだろう。そのため、あらゆる費用の圧縮を勧めており、小谷の交代もその一環といえる。
さらに、トップ交代もこの“人事”に影響していると見てよい。
今年6月、社長の島田昌幸氏はポストを日経前常務で顧問の高橋雄一氏に禅譲し会長となった(ただし、持ち株会社のテレビ東京ホールディングスは島田氏が社長、高橋氏が副社長)。
島田会長は、小谷よりも大江を重用している。大江単独のカレンダーを出せ、と現場に命じたのも島田会長だ。
ただ、会長職は早くて2年で相談役に退く場合がままある。そのため、自分が人事権のあるうちに大江をWBSのキャスターにしてしまおう、という計算もあったに違いない。
大江アナは今年4月から、テレビ東京ニューヨーク支局に出向している。
「日本時間で午前4時過ぎから放送される『ニュースモーニングサテライト』に出演。しかし、出向期間は3〜4年が平均で、わずか1年での帰任はなにかと取り沙汰されるのは間違いありません」(前出・テレビ業界事情通)
大江キャスターの不可思議な人事、今後、なにかと波紋を広げるだろう。