「アルガルベ杯」はワールド杯、五輪に続く女子サッカーの国際大会。昨年、なでしこジャパンは準優勝を果たしている。
1年前の「アルガルベ杯」への注目度は非情に高かった。なでしこは11年のワールド杯で優勝し、ロンドン五輪に向け、重要な位置付けとなった大会であったため、メディアが取り上げる機会も多かった。
それにつられるように、テレビ視聴率(以下、すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)も高く、ノルウェー戦=18.7%(2月29日=TBS系列)、デンマーク戦=16.1%(3月2日=フジテレビ系列)、米国戦(深夜)=15.9%(同5日=フジテレビ系列)、ドイツ戦=21.7%(同7日=フジテレビ系列)と全試合で15%超えを果たしていた。
今大会で佐々木則夫監督(54)はベテランの重鎮である澤穂希(34=INAC神戸)、宮間あや(28=岡山湯郷)を外し、川澄奈穂美(27=INAC神戸)、大儀見優季(25=ポツダム)、岩清水梓(26=日テレ)らを中心としたメンバーにした。澤らの代わりには、美形の19歳コンビ、田中陽子(INAC神戸)、京川舞(INAC神戸=体調不良により辞退)を招集し、若返りを図って、新生なでしこジャパンで臨んだ。
しかし、大会が始まってみれば、日本はA組で1勝2敗と不振。13日の5位決定戦で中国と対戦することになり、成績は前年の準Vから大きく落とした。
さらに、視聴率は6日のノルウェー戦(フジテレビ系列/午後10時〜)=6.8%、8日のドイツ戦(フジテレビ系列/午後9時〜)=4.6%と惨たんたるものだった。この数字は昨大会の視聴率の約3分の1。ノルウェー戦とドイツ戦は、一部時間帯でWBC日本戦と重なっており、同情すべき面はあるが、それにしても注目度の暴落ぶりには目にあまるものがある。
WBC期間とあって、報道番組のスポーツニュースでも、「アルガルベ杯」が取り上げられることはほとんどない。佐々木監督は9月の親善試合までは、この若手主体の代表メンバーで闘うことを明言しているが、このままでは、あの“なでしこフィーバー”も、どこかに消え去ってしまいそうな雲行きだ。
(落合一郎)
【お詫び】記事内容は12日時点のデータを元に作成しましたが、11日のデンマーク戦の数字に誤りがありました。該当部分を削除してお詫びいたします。