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2011年『12球団ペナントレース総括』 エースのお値段! 東京ヤクルト編

 故障による戦線離脱者の続出により、ヤクルトはまさに「総力戦」でクライマックスシリーズ(以下CS)を戦った。11月6日、先発マウンドに上がったのは「中2日」の館山昌平(30)だった。6回裏、中日・井端に左翼スタンドに運ばれ、ヤクルトの今シーズンは終わった…。しかし、館山の鬼気迫る投球に感動したファンも多かったのではないだろうか。

 今季の成績は11勝5敗(26試合)、防御率2.04。『クオリティースタート』(6回を3失点以内に抑える/以下=QS)は21回(先発は25試合)。数値的には「投手として絶頂期にある」と言っていい。しかし、今季の館山は故障を抱えており、“強行登板”の連続だった。去る11月11日、右手血行障害とそれに関連する右手の手術を受けた。球団発表によれば、全治4、5カ月だと言う。ある程度、前倒しされるだろうが、来季開幕戦に間に合うかどうか微妙なところだ。
 また、館山は開幕直前、グラウンド外のアクシデントで右肩を脱臼していた。初登板の4月15日は「手探り状態だった」(チーム関係者)とのことで、ここに血行障害も重なった。「優勝のため、チームのために投手生命を懸けて投げ抜いた」と言っていい。
 2011年の推定年俸は1億2000万円。08年オフ、「1億円プラス出来高」で3年契約を結んだため、最多勝のタイトルを獲った09年も「1000万円の出来高」を得ただけだったという。今季でその3年契約が終了した。関係者によれば、「館山は再度、複数年契約を交わしたい」とのことだが、基本ベースの金額については“不透明”だ。チーム貢献度、ここ数年の安定した成績を考えれば、2億円でも安いくらいである。しかし、ヤクルトも経営資金が潤沢な球団ではない。また、気になるのは怪我の回復具合である。

 球団は「キャッチボールを始められる時期」については明言していない。「全治4、5カ月」の発表から察するに、「キャンプ序盤」、本格的なピッチング練習ができるようになるのは「キャンプ後半」と思われる。小川監督以下首脳陣は「無理をさせたくない」と配慮するだろう。よって、「来季序盤戦は館山ナシで戦う」ことも覚悟しなければならない。
 つまり、館山は大幅アップを提示しなければならない功労者ではあるが、来季の戦力として計算が立ちにくい。契約更改の基本は『その年の功績』と『翌年への期待』だ。復帰メドが明確にならない今回の契約更改は、球団と館山の駆け引きが展開される。球団は来季の復帰が遅れること、手術による投球への影響も踏まえ、「複数年契約は交わしたくない」と考えるだろう。館山に限らず、選手は「将来への保障」ということで複数年契約が欲しい。一般論として、プロ野球球団はシーズン後半には各選手と契約更改の意見のすり合わせを行う。おそらく、館山も「複数年契約」の希望を伝えていたと思われる。
 したがって、複数年契約を交わすのなら、基本ベース・1億円の上がり幅は微増で、出来高の幅を大きくなるのでないだろうか。20%増で、1億2000万円。但し、出来高は5000万円あたりまで幅を広げる、と。また、手術明けのシーズンということで単年契約しか交わせないのであれば、1億5000万円から1億7500万円と予想する。2億円でも安いくらいのチーム貢献度ではあったが、90年代の古田、池山、広沢たちも年俸1億円を越えてからは、2倍増はほとんどなかった…。

 館山は投球術にも長けた投手でもある。スライダー、カットボールなど変化球は10種類以上を操り、今季規定投球イニングに到達した投手のなかで、与四球「29」(180回3分の2)という少なさを誇る。防御率2.04。四球の少ない投手は、守備に着く側(野手)からすれば、テンポがあるので守りやすい。来季は右肩故障の由規、青木宣親外野手のメジャー挑戦等もあり、現時点では「不安要素」を抱えながらのスタートが予想される。復帰の時期を含め、館山の存在感がさらに増すことになるだろう。(スポーツライター・飯山満)

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