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SMASHの魅力、灼熱の太陽の下で開花した!!

 9月12日、まだ夏の日差しが残る東武伊勢崎線竹ノ塚駅。
 そこから歩いて15分程度の場所にある足立区立伊興(いこう)小学校の校庭にリングが立っている。
 新宿を拠点とするSMASHが、小学校の強い希望を得てイベントプロレスを行ったのだ。旗揚げから1年足らずのSMASHであるが、この事実は非常に大きな事である。

 専属リングアナウンサーであるSUNAHOは、サービスとばかりに自分の歌っている曲「Cyclone EFFECT」(仮面ライダーWエンディングテーマ)を熱唱(しかもフルコーラス)、子供たちのハートを掴む。
 最初のプログラムはKUSHIDA・朱里・児玉ユースケによるプロレス教室。勝敗を決めるルールから解説する。

 そして子供たちをリングに上げてトレーニングを行う。まず始めにリング上でジャンプをさせるコーチ陣。これはプロレスのリングはどんな感触なのかを確かめさせる為に必要な事なのだ。次に体力作りの基礎として腕立て伏せを子供達に実践させる。そして前転・後転。リングの硬さを認識させてしまう受身よりもマット運動のようなトレーニングをさせる事の方がいい。
 今度は児玉がお手本となってスクワット…とその時、不審な四人の男たちがリングサイドに現れる。練習したブーイングを一斉に浴びせる子供たち。男たちは自らを「伊興デビル」と名乗る。先導役の「ミスター足立」はマイクを掴み、
 「俺達の目的は、この町を支配して足立区を少子化にする事だ! こんなに子供はいらないんだ足立区に!! 足立区から一人残らずたたき出してやる! いいか、メインイベントで俺たちがお前たちとやってやる!! 俺達が勝ったあかつきには、この小僧たちを一人残らず埼玉に送り出してやるからな!!」
 と物騒な事を言い放つミスター足立。足立区の子供たちの運命はSMASH軍に賭けられた…。

 オープニングマッチでは小路晃が児玉ユースケと対戦。しっかりしたグラウンド、リングサイドの子供たちが思わず声を上げたチョップ・エルボーのラリー。小路がジャイアントスイングで児玉を振り回せば、負けじと児玉もゼロ戦キック・ドロップキックで反撃する。イベントプロレスでのオープニングマッチとは、自分の団体の色をアピールする絶好の機会。SMASHのカラーは大勢の観衆に受け入れられた。
 最後は豪快な大技一発。小路の「黒部の太陽(くろべのたいよう)」が決まって3カウントが入った。この試合で両者は炎天下の中集まった観客に「プロレス」を植え付ける事ができた。

 そして「足立区の子供たち」のためにSMASH軍がリングに上がる。TAJIRI&KUSHIDA&朱里のトリオが伊興デビル軍団を迎え撃つ。何かにつけてSMASH軍に対し文句を言うミスター足立の号令の元、伊興デビル軍団の奇襲攻撃から試合は始まる。伊興デビル軍の嫌われ方は半端じゃない。子供達から一斉にブーイングの嵐が巻き起こる。
 場外戦でペースを掴んだ伊興デビル軍。KUSHIDAの背中は、炎天下で照らされ乾いた砂と砂利で白く染まっている。KUSHIDAがローンバトルを強いられる。必死になって手を伸ばすTAJIRI、声を上げる朱里・セコンドの児玉、そしてKUSHIDAコールで応援する子供たち。そんな中伊興デビル軍の参謀役であるミスター足立は、レフェリーのソフト今井の急所を竹刀でぐりぐり攻撃する等、注意を逸らしての反則攻撃三昧。これにはリングサイドの子供達も怒りを露わにする。水鉄砲の水をミスター足立に向かって噴射する子供まで出てくる程。
 セカンドロープからの攻撃をかわし、タッチをさせまいと妨害するデビルにKUSHIDAは延髄斬り一閃。満を持してリングインしたTAJIRIは八面六臂の大活躍、次々とデビル軍を蹴散らしていく。代わった朱里も得意のキックを主武器として、鮮やかなヘッドシザース・ホイップで投げ飛ばす。コーナーのミスター足立を挑発する朱里、だが背後からデビル軍の一人が羽交い絞めにする。「それ見たか!」とばかりにミスター足立の竹刀攻撃…はかわされて誤爆。エプロンのKUSHIDAを狙って放った竹刀攻撃…はかわされ、ロープの反動で自分に当たってしまう。チャンスと見るや、TAJIRIはここ一番のグリーンミストを浴びせかける。最後はTAJIRIのボディースラムからKUSHIDAのミッドナイト・エキスプレスが輝く太陽の下で決まり3カウント。見事に足立区の平和を守ったSMASH軍であった。

 試合後TAJIRIはマイクで、「みんなー! プロレス楽しいかー!! 大きくなったら、プロレスラーになりたいかー!!」と叫ぶ。それはまるで世の子供たち全てに問いかけているかのよう。プロレスの楽しさを通じ、心を通い合わせたSMASH勢と子供たち。イベント終了後に行われたサイン会には大勢の子供たちが押し寄せた。
 「懐かしいですね、僕もみちのくプロレスのリングでプロレス教室に参加したんですよ」
 KUSHIDAは試合後、こう呟いた。今日のヒーローもかつて、同じようにリングに上がり憧れを持った一人なのである。
 当日のイベント、間違いなくSMASH勢は子供たちの「憧れの対象」となった。
 信じてみようではないか、いつの日かその場にいた子供たちのうちの何人かがプロレスを目指して再会する事を。
 そして夢を持ってJCBホールに向かおうではないか、子供たちの笑顔と共に。

(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))

◆『SMASH PRESNTS はじめてのプロレス』
2010年9月12日(日)
会場:東京・足立区立伊興小学校特設リング」

<スペシャルマッチ 第1試合>
○小路晃(7分10秒 片エビ固め)●児玉ユースケ ※黒部の太陽

<スペシャルマッチ 第2試合>
TAJIRI&○KUSHIDA&朱里
(10分34秒 体固め)伊興デビル1号&伊興デビル2号&●伊興デビル3号
※ミッドナイト・エキスプレス

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