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赤西仁で大丈夫? 映画 『BANDAGE』“頼みの綱”は優等生・北乃きい

 1月16日に公開を控えている、KAT-TUN赤西仁の主演映画『BANDAGE バンデイジ』。

 正月特番で、KAT-TUN全員のテレビ出演は多かったが、年末年始でこの映画の告知の為に赤西が情報番組などに出演する機会は得られず、とうとう公開週になってしまった。昨年ファッションショーのゲストに出演し、映画絡みでソロの歌を披露した赤西。ある程度の歌唱力が知れてしまった今、ソロで歌うシーンはそれほど楽しみではない上に、彼の話す“むにゃむにゃ”セリフ。この映画は大丈夫だろうか? そんな赤西主演の『BANDAGE バンデイジ』を、「陰日向」になって支える心強い共演者がいた。

 さすが赤西仁だけあって、雑誌特集は豊富にあるようだが、昨年公開された「スノープリンス禁じられた恋のメロディ」(森本慎太郎主演)に比べ、ジャニーズ事務所もさしたプロモーションをしていない映画『BANDAGE バンデイジ』。やっと年末流され始めたTVCMを見る限り、嫌な予感がする記者だった。
 「ソボにいてよ(そばにいてよ)…。」
 北乃きいを抱きしめる赤西が言うセリフだ。「祖母?」ドラマ「有閑倶楽部」の時同様、赤西がしゃべる主人公ナツのセリフがぼそぼそして聞き取れない。映画「スピード・レーサー」の日本語吹替版の時はそれなりに上手かったが、ドラマや映画ではアクションや表情を気にしすぎるのか、どうにもセリフが内にこもるのだ。いくら赤西が美形でも、顔だけで2時間観客を惹き付けるのは難しい。やっぱりセリフはっきり聞こえた方がいい。このタイプのセリフ回しで成功した木村拓哉は、赤西より声に特徴があり、ぼそぼそしゃべりになったのはかなり演技を積んでからだったと思う。なんとも危なっかしい。

 主役が危なっかしくても、共演者やストーリーが良ければそれなりにいい映画になる場合もある。
 今回、ドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜 」で好演だった金子ノブアキが、バンドのドラマー役で出演。本業としての一面でもあるドラムさばきが注目が集まる。その他、ちょっと不似合いだが長髪の高良健吾や、笠原秀幸など実力派の若手と、杏や伊藤歩、柴本幸など脇の女性キャストも豪華。そしてなんといっても映画を盛り上げるのは、ドラマ「ライフ」や映画「ハルフウェイ」の主演で注目され、女子中高生に絶大な人気がある北乃きいだろう。北乃は、赤西演じるバンドのボーカル、ナツに恋する女子高生・アサコを演じる。映画を見る大多数の女性はアサコに感情移入するわけだから責任重大。しかし、演技力が高く、器用な北乃は上手く映画に溶け込んでいるようだ。

 これが、沢尻エリカや長澤まさみ、ガッキーなどの有名どころではやっかむ赤西ファン達も、爽やかな北乃きいなら彼女役をやっても許せる。また、今年はこの後、宮崎あおい主演「ソラニン」の公開が控えており、バンド映画はブームの兆しがある。本来バンドに憧れるのは若い男の子が多いが、ジャニーズ映画と判断されると男は見てくれない。しかし北乃が出演している事で男性客の導引も見込め、男女のお客のバランスが取れる。この点で北乃は優等生だ。“赤西ファン以外”をどれだけ取り込めるかによってヒットの度合いが違うからだ。

 頼みの綱はやっぱり、演技が上手くて多くのお客を呼んでくれる北乃きいか。

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