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死闘の爪痕… DeNA戦に勝ち越したトラの意義

 開幕第3節の対DeNA戦を、金本阪神が勝ち越した。このカードを勝ち越すことができたのは、勝負どころとなるペナントレース終盤戦で生きてくるはずだ。
 4月1日からの同カードで、金本知憲監督はベンチ入り選手の構成を変えていた。
 3月30日を除けば、これまでの金本監督は『ベンチ入り出場メンバー』を「投手8人」で戦ってきた。
 「新クローザーのマテオが『やってくれる』と分かったのが大きい。マテオに繋ぐという継投策がオープン戦で完成しました」(プロ野球解説者)

 そのマテオが3月31日、異例の3イニングを投げたのは既報通り。投手陣を預かる香田勲男投手コーチは「総合的な判断」と、マテオに61球を投げさせた理由を語っていたが、金本監督は「明日と明後日は休ませないと…」と、ちょっと顔をしかめた。
 翌4月1日からのDeNAとの3連戦、金本監督はベンチ入りさせる投手構成を変えた。先発投手+8人の救援投手の計9人の投手を登録して臨んだ。
 プロ野球は一軍登録28人、ベンチ入りメンバーとして登録できるのは25人までだ。金本監督はこれまで「投手8、捕手2、内野手8、外野手7」で戦ってきた。言うまでもないが、野手の登録人数を減らして、9人目の投手をベンチ入りさせたのは、登板過多になりつつあるマテオを休ますためだ。
 「マテオを休ませる旨は投手陣だけではなく、選手全員に伝えられていました」(関係者)

 その9人目の投手が興味深い。マテオに3イニングを投げさせた翌日の4月1日は、藤浪晋太郎、同2日は岩田稔、同3日はメッセンジャーだった。先発ローテーション投手である。もし、4月1日のDeNA戦も乱打戦か、延長戦突入となった場合、金本監督は先発要員を緊急登板させるつもりでいたのだろうか。

 これまで、実際に先発した投手以外のローテーション投手がベンチ入りしたのは3月30日だけだ。同日の先発は岩田で、開幕第3戦に先発した藤川球児もベンチ入りしていた。先の関係者がこう続ける。
 「3月26日から29日までの3試合、マテオは3連投しています。ペナントレースは始まったばかりなので、マテオに無理をさせたくない。30日は試合展開によっては、榎田か、歳内、もしくは福原で締めるプランも想定し、延長戦になったら、リリーフでの連投経験もある藤川に1イニングを投げてもらうつもりでした」
 阪神はマテオの保険もかねて、もう一人、クローザー候補としてドリスも獲得した。しかし、外国人枠がある。「一軍登録できる外国人選手は4人まで」のルールがある以上、ゴメス、ヘイグ、メッセンジャーのいずれかを二軍落ちさせなければならない。しかも、一度二軍に落としたら、10日間は再登録できない。

 「阪神OBは好調なスタートを切った金本監督を好意的に見ています。でも同時に、投手にも盗塁をさせ、攻めの一点張りのスタイルに『息切れしないか?』と心配もしています」(前出・同)
 采配批判ではなく、「心配」という点は強調しておきたい。
 DeNAとの3連戦は能見、岩貞、藤川の先発陣が6イニング以上を投げ、マテオを休ますことができた。藤浪たちをベンチ入りさせることで他の救援陣を発奮させるのが目的だったとしたら、大成功である。登板過多になりつつあったマテオを休ませ、勝ち越しに成功したこの3連戦は意義深い。もっとも、ペナントレース序盤のこの時期に藤浪たちを“緊急登板”させていたら、OBたちの心配はさらに色濃くなったと思うが…。

*写真イメージ

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