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亡くなった家族の遺品整理はどうしたらいいの?

 大切な家族が亡くなった時、どうしても必要に迫られるのが遺品整理だ。亡くなった家族が一人暮らしだったら、遺族の誰かがやらなくてはならない。

 特に遠方に住んでいる場合は、やりたくても、なかなかできないから切実な問題だ。同居、あるいは近くに住んでいても、「仕事が多忙でやる時間がない」「亡くなったショックや思い入れがあって、やる気持ちが起きない」といった理由で、できないケースもある。なかには、「やらなければならないが、亡くなった家族と疎遠、不仲だったため気が進まない」といった事例もあろう。

 そんな時、どうしたらいいのか? まさか、大切な遺品の整理を人様に頼むわけにはいかない。そこで、存在するのが、いわゆる遺品整理業者だ。おおむね、業者は年中無休24時間体制で緊急でも対応してくれる。

 神奈川県川崎市に本社を構え、関東、関西エリアで遺品整理業を営む株式会社ロードの専務取締役・鷹田了氏に現状を聞いてみると、「核家族化が進んだことにより、9割以上が亡くなった方と別居のご遺族からの依頼です」と言う。

 一人暮らしだった場合、病院で亡くなったケースはいいが、自宅で孤独死してしまった際は、気付いた時には異臭が漂ってしまっていることもある。そんな時、業者は異臭を除去する特殊清掃も行っている。

 困るのは、亡くなった方が賃貸住宅に住んでいて、孤独死した場合だ。大家は原状回復を望むが、「どこまでが原状回復か?」で大家と業者の間で、厳しいやりとりがなされることも少なくないという。

 「原状回復には明確な基準がなく、大家さんが過剰な請求をしてくるケースもあります。我々はあくまでも大家さんと遺族との間の中立的な立場で、どちら側に付くわけにもいきません。その板ばさみで苦慮する時もあります」(前述の鷹田氏)といった苦労話もあるようだ。

 遺族が求めるのは、「故人の思いもあって、遺品を無駄にしないでほしい」ということ。核家族化が進んだことで、大型の家具などは遺族も引き取れないが、業者では単に遺品を撤去するだけではなく、分別し、貴重品の捜索もしてくれる。リサイクルが可能なものはリユース品として販売する他、衣類などは海外に送って再利用してもらうことで、遺族も喜んでくれるという。

 気になる費用だが、業者によって差はあるが、1ルームで4万円前後、1LDKで8万円前後、2LDKで15万円前後、3LDKで20万円前後といった具合。これは、遺品の量、搬出条件、派遣する人員などによって増減する。ハウスクリーニング、エアコンの取り外しなどのオプションも、別途料金で対応してくれる。

 遠方であれば、出向く交通費もバカにならない。遺品整理のため、仕事を休めば、減収する場合もあるだろうし、手間もかかる。それを考えれば、遺品整理業者の費用はそれほど高いものではないだろう。

 身寄りがない一人暮らしの方は、終活として、生前に万が一の時に備えて、後見人などに依頼をしておくのが無難だ。

 ただ、なかには常識外れの高額な料金を請求して来たり、遺品を不法投棄したりする業者もいるという。多くの良心的な業者は見積もりを出してくれるので、業者選びは慎重にすることをオススメする。

※取材協力/遺品整理ロード(神奈川県川崎市麻生区岡上263-110)

(山本 生道)

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