所属アーティストにとってはただならぬ今回の売却劇だが、「ビクター」の親会社である電機メーカーの日本ビクターとケンウッドの持ち株会社「JVC・ケンウッド・ホールディングス」は、保有株の過半数を売却する方向と報じられた。ほかのレコード会社など複数の相手に売却を打診中だが、その中でも、コナミが最有力候補という。「JVC・ケンウッド」は同日、「報道されたような事実はない」とのコメントを発表しているが、「ビクターは夏ごろ、『ゴールデン☆ベスト』というタイトルで、青江三奈、アン・ルイス、野沢直子など大量の旧譜をリリースしている。まるで在庫一掃セールのようで、売却話の信ぴょう性は高い」(音楽ライター)。
「JVC・ケンウッド」は昨年秋以降の世界的な景気悪化を受けて業績不振が続いている。売却で事業を絞り込み、経営再建するのが狙いで、コナミは携帯電話向けの配信事業などを展開しており、音楽ソフト事業の買収によりコンテンツの強化を図るという。
「ビクターにはかつては吉永小百合、橋幸夫、森進一、ピンク・レディーらが所属し昭和歌謡界をリードした。すでに契約を解除されたが、酒井法子被告もデビュー以来所属していた。酒井被告の事件を受け、関連商品の販売中止や、楽曲の配信停止で損失はあったが、それは売却話には関係ない」(レコード会社関係者)
「ビクター」の2トップとして君臨しているのが、ともに日本の音楽界を代表する人気グループであるサザンとSMAP。「2組はどこのレコード会社もほしがる逸材。“移籍金”はかなりの金額になりそう」(同)というが、サザンは今年から活動休止中で、SMAPはグループの存続自体が危ういという。
「SMAPはおととしの秋、エイベックスへの移籍がうわさされたことがあるが、実現しなかった。その理由は、グループとしての活動および楽曲のリリースに意欲的ではなく、メンバー5人がソロで映画出演を中心にこなしていきたかったから。エイベックスは自社で映画製作をしているため、それでも話はまとまりかけたが、結局のところ、諸条件が合わずに流れた」(同)
以前は積極的にグループとしての活動を展開したSMAPだが、2007年以降、シングルはわずか4曲しか発売しておらず、昨年9月発売のアルバム「super.modern.artistic.performance」の売り上げは全盛期にはほど遠い約26万3000枚だった。
「アーティストとしての人気はすでに事務所の後輩の嵐の方が上。制作費の大幅カットの関係でフジテレビの『SMAP×SMAP』の打ち切りが濃厚。スマスマとビクターの件は解散のいいきっかけになったのではないか。今年記念すべき60回の紅白歌合戦のトリをつとめて解散発表、というサプライズ計画も浮上しているらしい」(芸能プロ関係者)
またもやSMAPに解散説だ。