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海老蔵事件の余波 球界に及ぶ

 泥酔、殴打騒動の歌舞伎役者・市川海老蔵事件が、なんとプロ野球界にも影響を与えている。プロ野球暴力団等排除対策協議会(会長=加藤良三コミッショナー)が、認可を申請している147団体に対し、飲酒自粛を申し入れているのだ。

 暴力団との関係が取りざたされる悪質な応援団を球場から排除、ファンが安心してプロ野球観戦を楽しめる環境を作るために、12球団、球場側、警察などの協力を得て、応援団を認可制にするなどの活動しているのがプロ野球暴力団等排除対策協議会だ。8日に行われた会議では、認可申請をしている応援団に対し、「球場に来る前もきてからの飲酒も自粛して欲しい」と、飲酒自粛を通達している。
 「アルコールが入れば、どうしても応援が過激になり、問題が起こりやすいので」というのが、関係者の話だが、世間を騒がせている海老蔵事件と無関係ではないというから、興味深い。
 というのも、プロ野球暴力団等排除対策協議会の顧問弁護士である、民暴のカリスマと言われる深澤直之弁護士が市川海老蔵の弁護士も務めており、今回の応援団の飲酒自粛に関しても一役買っているというからだ。関係者によると「歌舞伎界の方でも事件があった。飲み過ぎは良くない」との発言があったそうだ。
 確かに、大事件に発展している海老蔵事件の根本的な問題は双方の過度の飲酒だけに、説得力がある。熱心な応援団が酔っぱらえば、汚いヤジを飛ばしたりして、一般のファンは迷惑するだけだ。応援団の飲酒自粛はタイムリーだ。

 一昔前の広島球場、ナゴヤ球場、甲子園などでは、ヤクザまがいの応援団が大手を振っており、応援団同士の乱闘、流血事件なども珍しくなかった。76年4月16日の広島対巨人戦(広島球場)では、本塁ベース上の張本の激しいスライディングに激高した広島ファンがグラウンドになだれ込み、巨人の帰りのバスを囲み、ファンにけが人が出る事件まであった。この時も広島の応援団の「巨人の選手を帰すな」という過激なアジテーションが大騒動の引き金になっている。
 そういう時代からは一変。現在は、プロ野球暴力団等排除対策協議会の過激な応援団の排除活動で、家族連れ、アベックが楽しめる環境になっている。

 今年、角界で暴力団の関わる野球賭博事件が勃発、NHKの名古屋場所のテレビ中継が中止になるなど大揺れした際にも、加藤コミッショナーは、こう胸を張っている。「幸いにも、プロ野球界は暴力団等排除対策協議会が活動しており、暴力団との関係はない」と。が、同時に「相撲界の事件は対岸の火事ではない。なおいっそうの警戒が必要であり、油断は禁物だ」と、改めて警告を発している。
 それも当然だろう。プロ野球界には忘れられない苦い思い出がある。過去に黒い霧事件と呼ばれる八百長事件が勃発、主力選手が永久追放者されるなど、球界存亡の危機に直面している。暴力団との交友関係に神経をとがらせるのは当然だし、今回の海老蔵事件にも敏感に反応しての「応援団の飲酒全面自粛」申し入れも、そんな重い過去があるからだ。

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