もはや、みんな敵だ。9月シリーズ第2戦となるこの日の後楽園大会。最終戦となる27日神戸大会のIWGPヘビー級王者決定戦に向け、タッグで真壁との前哨戦に臨んだ中邑だったが、そこには実に厳しい洗礼が待っていた。
アウェー同然。CHAOSを結成して殺伐としたファイトスタイルになり、試合後も平気で「本当に殺せば良かった」と言ってのけることから、G1では歓声とブーイングが入り交じっていたが、この日は周囲の様子が違った。
言われようのない野次があびせられた。真壁をいなせばと「つまんねーぞ」のバッシング。G1クライマックス準決勝でチャンピオン棚橋弘至と対戦した際に相手の右目を壊し、期せずしてベルト挑戦のチャンスを得たことから、試合中には「オイ棚橋を返せ!」「辞やめちまぇ!」と心ないゲキも飛ばされた。
試合もパートナーの飯塚高史が真壁のキングコングニーに3カウントを献上し、相手を勢いづかせる結果。宿敵の真壁からも「おぼっちゃまクンよ、オマエのたわ言なんてファンには届かねーんだよ」と言われる始末に、中邑は表情ひとつ変えることなく会場を後にした。