木村氏は98年の参院選に民主党の比例代表で立候補したが落選。これが、13年ぶり2度目の政治家へのチャレンジとなる。夫人の木村洋子氏(民主党)は、5期務めるベテランの目黒区議。長男・木村寛紀氏も07年に東京都議補選、大田区議選に出馬した経験があり(いずれも落選)、まさに政治ファミリーといえる。
木村氏は昨年末に選挙へのトライを決意。すでに、品川区内の駅前で街頭演説なども行なっており、満を持しての出馬表明となった。現時点では政党の公認は受けず、無所属で出るもようだ。
大相撲(宮城野部屋)からプロレスに転向した木村氏は、72年に日本プロレスに入門。73年には坂口征二(新日本プロレス相談役)らとともに、新日本に移籍。初代IWGPタッグ王座、NWAインター・ジュニアヘビー級王座などを奪取した。藤波辰爾(ドラディション代表)とのライバル抗争は、人気を博した。03年4月の西村戦を最後に引退。引退後はスカウト部長として、フロントとして活躍したが、06年に退職。最近では目黒区内でリサイクルショップを経営していた。
現役バリバリの西村と違い、表舞台から消えて久しい木村氏には、もはやプロレス時代の知名度はあまり通用しないだろう。目黒区が地元であることから、地元外での出馬にも不安が覗く。いかに品川区民に、“人間・木村健悟”をアピールするかが勝負の分かれ目になるのではなかろうか。
出馬表明後、引退試合の対戦相手でもあった西村から電話で激励を受けたという木村氏。区は違えど、品川区と文京区で新旧プロレスラーの熱いバトルがスタートする。木村氏は「区民の皆さまと行政のパイプ役をやりたい」と意欲を見せる。
(最強プロレスサイトBATTLENET/ミカエル・コバタ)