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エマージング投資 今こそベトナムを狙え

 発展途上国への投資が再びブームになる? アメリカは金融不況にあえいでいるが、対象しだいではハイリターンが望める投資方法がある。外国預託証券による、経済活動が活発なアジア地域など発展途上国への投資がそれ。今のような時期にこそ狙えるのだ。

 「ADR」による「エマージング」投資がそれ。
 ADRは米国預託証券のこと。外国企業の株式を信託銀行などの預託機関に預け、これを担保に証券を発行し、米国株式市場で通常の株式と同様に取引できるようにしたものだ。
 エマージングとは、金融の世界での発展途上国の洗練された呼称。ミャンマーやカンボジアは、対象にならない。金融市場がないからだ。
 世界中の企業が米国市場に上場可能だが、審査が厳しく優良企業だけが参入を許されている。日本企業では、トヨタ、ホンダなど約30社が上場している。
 ADRに上場しているエマージングの企業は、厳しい会計基準を通過しているため、その国では優良企業である。その安全性をバックにエマージングのもつ爆発力に期待するわけだ。エマージングの好例にベトナムがある。
 2000年7月、ベトナムの首都ホーチミンに証券センターが開設された。02年に外国人の口座開設が許され、04年には外貨規制が緩和された。
 そして、06年。ベトナム株が急騰したニュースが世界を駆け巡った。投資家を驚かせ、ベトナム株式を巡る投資バトルが始まることになる。
 06年末1カ月で、平均株価は約2倍に跳ね上がった。この時期、日本でもベトナム株ブームが起き、旅行会社はベトナム株式口座開設ツアーを企画した。多くの日本人がベトナムを訪れ、ベトナムの証券口座の半数を日本の個人投資家が占めたともいわれたほどだ。
 当時、日本の投資家たちの間では、「ベトナム株は100%儲かるギャンブル」と人気になった。

 株式投資で大儲けするためには、まず、急成長する企業を探し当てることだ。しかし、この作業は砂浜でひと粒の米を探し出すようなもの。数多くある企業から一粒の金を探し当てるような確率に等しい。
 しかし、ベトナムではエマージングがブレークするタイミングをとらえる方法があり、確率が高く確実だ。冷戦の終結以来、中国、ロシアの自由化、資源国ブラジル、インド、南アフリカの発展を含め「BRICS」と呼ばれる地域の急成長が注目された。その後、次世代の新興市場、「NEXT11」や「VISTA」、「MEANA」が登場している。
 株式市場は、その国のGDP成長率を越えて上昇しないという説が説得力を持っている。経済的に成熟した先進国には10%を超えるGDP成長率を望むべくもない。だから、エマージングの経済成長が注目を浴びているといえる。

 現在の世界金融危機、同時不況では、エマージングの状況も楽観視はできない。しかし、かろうじて成長を維持している中国、回復が期待できるインド、アジアでもっとも軽傷だといわれているベトナムなど、かってエマージングとして脚光を浴びた国々の中には、再び脚光を浴びる潜在力を維持している国は多い。
 (1)人口の平均年齢が若い、(2)豊かさを求める貪欲さ、(3)将来に夢と希望を持っているなど、60年代の日本を髣髴(ほうふつ)させる共通点が多い。
 いつエマージングが再びブレークして、ビッグウェーブを起こすか。世界の投資家は虎視眈々(こしたんたん)と狙っているのだ。

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