そもそも、AKB48には、明確にグループ全体のリーダーというポジションはなかった。そんな中、チームAのキャプテンであり、一期生でもある高橋みなみが自然とグループのリーダーとしての仕事を担当するようになり、8月の東京ドームコンサートで、はじめて総監督として明確にリーダーとしてのポジションが与えられた。高橋はコンサート前の総勢300人近くが集まる円陣の掛け声を担当。さらに、ひとりひとりのメンバーの顔色で、心理状態を理解するほど観察力にもすぐれ、テレビ番組などで、「へこんでいる時に、何も言っていないのに、たかみなさんが気づいてくれた」と語るメンバーも少なくない。
そんな高橋も将来はソロの歌手になるという明確な目標を持っている。いずれは卒業を決意する日が来るだろう。ただ、実際の後継者を考えると難しい。あるテレビ番組で興味深いシーンがあった。「もし生まれ変わるなら、どの先輩?」との質問に後輩メンバーが答える企画で、高橋に対しては、「大人数をまとめるのは私には無理」「いつもみんなのために頑張っていてスゴイ。自分にはできない」との意見が多く出た。総勢300人近いメンバーをまとめる高橋みなみの仕事を自分がするなんて、とても考えられないということのようだ。
「高橋の仕事は、総監督として注目されることもあるが、他のメンバーの面倒も見る必要もある。さらに、その反動で嫌われることも少なくないでしょう。尊敬はされるが、損することも多いポジションであることは間違いない」(アイドルライター)
高橋本人は、ラジオ番組で、自身が卒業した際の後釜として、横山由依と山本彩(NMB48)の名前を挙げたが、二人とも高橋とは年齢がさほど変わらず、高橋よりも先に卒業する可能性も十分に考えられる。もっと若いメンバーでの候補として、松井珠理奈の名前が挙がることもあるが、エース候補でもある彼女が高橋みなみの仕事まで兼ねることになれば、大きな負担になることは間違いなく、現実的ではない。
「エースは運営側のゴリ推しで、エースのような存在を作ることはできるが、リーダーはメンバーみんなが認めなければ成り立たないポジション。意図的に作ることはできない」(アイドルライター)
果たして、高橋みなみ以上のリーダーシップを持ったメンバーは現れるのか。将来のAKB48を考える上で非常に難しい問題だ。