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美人カリスマ美容師を襲った残忍な犯行、職場への不可解な電話と盗まれた手帳の謎とは【未解決事件ファイル】

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画像はイメージです

 2000年10月22日、埼玉県熊谷市の市道に停車していた車の中から当時35歳の女性Aさんの遺体が発見された。遺体の後頭部には鈍器で執拗に殴られた痕があり、車内には大量の血が残されていたという。警察はAさんに恨みを持っていた人物の犯行とみて捜査を進めたが、事件の手掛かりを見つけることは出来なかった。一体Aさんの身に何が起きたのか。

 遺体が発見されたのは、10月22日の午前9時30分頃。路上に止まっていた車を不審に思った通行人が中を覗いてみたところ、後部座席で血を流して倒れているAさんを発見したという。すぐに通行人によって警察と救急車が呼ばれたが、駆けつけた時には既に死亡していた。

 Aさんの姿が最後に確認されたのは、遺体が発見される前日の午後10時50分頃のこと。熊谷市にある美容室で勤務していたAさんが仕事を終えて、500メートル離れた駐車場に向かう姿を同僚が確認していた。それから約10分後、近隣住民が、駐車場近くからAさんと思われる女性の悲鳴を聞いていたことが警察の捜査で判明している。さらに悲鳴から約30分後、Aさんの車が遺体発見現場となった市道で停車しているのを別の近隣住民が確認していた。ちなみに、駐車場から遺体発見現場までは南に200メートルほど離れている。

 一体、誰がAさんを襲ったのだろうか。Aさんの遺体には着衣の乱れはなく、財布なども盗まれていなかったが、唯一Aさんの勤務先の顧客リストや自身のスケジュール帳が盗まれていた。事件当時、捜査関係者は「後頭部を滅多打ちにするという殺意の高さや着衣に乱れが無かったことから、犯人は通り魔ではなく、Aさんに怨恨を持つ知人である可能性が高い」と推定したという。

 美容師コンテストでの受賞歴も豊富で、美人カリスマ美容師としても有名だったAさん。さらに、語学が堪能で幅広い外国人と付き合いがあり、事件前には中国語のサークルにも通っていたという。警察はAさんの勤務先や知人を洗い出すことにしたが、あまりの交友関係の広さにより捜査は難航した。

 事件前日、2年前に離婚したパキスタン人の元夫からAさんの家族に連絡があったという。元夫はパキスタン在住ながら、東京に複数の飲食店などを構える実業家。Aさんと元夫との間には二人の子供がおり、離婚時に元夫が引き取ってパキスタンで育てていた。Aさんは知人に「元夫とは会いたくない、よりを戻す考えは全くない」と話していたそうだ。事件当日、Aさんの職場に電話があり、珍しくAさんが長電話していたのを同僚が確認している。誰と電話していたのか同僚が聞くと、Aさんは母親からだと答えたが、警察の捜査により母親ではないことが確認された。事件前日には、元夫からAさんの家族に「日本に来た」という電話があったという。

 なお、元夫と事件の関連は確認されておらず、Aさんと会う予定があったかどうかも分かっていない。

 当初、警察は知人による怨恨の犯行を疑ったが、犯人像が絞り込めず、通り魔の可能性も含めた捜査に切り替えたそうだ。顧客リストを狙った同業者か、はたまた個人的恨みを持った知人か。事件は2019年12月現在も未解決のままである。

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