北海道日本ハムファイターズが昨季の優勝、日本一に貢献したルイス・メンドーサ(33)を手放す。近日中にウエーバー公示へ――。
「日ハムはクライマックス・シリーズ(CS)進出が絶望的となり、来季に向けて若手中心の選手起用に切り換えました。メンドーサはその煽りで19日に二軍落ちとなりました。本人はヤル気十分なので球団と話し合い、ウエーバー公示にかけることになりました」(ベテラン記者)
トレードなどの補強は7月末を持って、終了となる。しかし、ウエーバーによる“譲り受け”は期限以降でも認められている。
この情報に迅速な対応を見せたのが、2位・阪神と3位・DeNAだという。
関西圏で活躍しているプロ野球解説者によれば、遠征先の都内ホテルで阪神・四藤慶一郎球団社長は金本知憲監督らと会談を行うという。毎年恒例の終盤戦での失速を防ぐ目的はもちろんだが、阪神は主軸先発投手のメッセンジャーを故障で欠いてしまった。藤浪晋太郎もピリッとしない。阪神が名乗りを上げる可能性は高いが、DeNAも手を拱いてみているつもりはないようだ。
「57年ぶりとなる3夜連続サヨナラ勝ちで首位広島を叩きました(24日)。意気の上がるDeNAはまだ優勝を諦めていません。広島の側からしても、CSで対戦したくないのはDeNAだと思っています。DeNAが日本シリーズに進出すると予想も出ています」(前出・ベテラン記者)
DeNAは広島に勝ち越している唯一の球団でもある(同時点)。ラミレス監督による「8番・投手、9番・倉本」の変則打順が功を奏し、6月30日には主砲・筒香嘉智を3番に置き換えた。こうした打線の変更が全て的中しているわけだが、ラミレス監督はこうも語っていた。
「優勝するには、2ケタ投手が4人必要」
目下のところ、2ケタ投手は今永昇太(10勝)だけ。到達の可能性がありそうなのは新人の濱口遥大(7勝)、ウィーランド(6勝)で、井納翔一(5勝)が「ひょっとしたら」と言える程度だ。実績十分のメンドーサが加われば、広島はさらにDeNAに対する警戒心を強めなければならないだろう。しかも、メンドーサは中継ぎも務まる。リリーフ陣の疲労がピークに達するこの先の終盤戦、CSでとくに重宝するだろう。
もっとも、一軍登録できる外国人選手は4人まで。現4番のロペス、ウィーランドは外せない。パットン、エスコバーの救援投手も結果を出している。メンドーサはライバル・阪神に譲ることになるのだろうか。
「シーズン途中にトレード獲得したエスコバーは奪三振数も多いが、与四球も少なくない。19回3分の1しか投げていないのに(同時点)、被安打数は19、うち3本は本塁打でした。左の救援投手は貴重だが、メンドーサのほうが、安定感がある」(前出・プロ野球解説者)
ラミレス監督は打線ではなく、一時的だが救援投手の配置換えも行った。クローザーの山崎康晃を休ませるためだったが、その間、代役を務めたパットンに対してはもちろん、山崎にも自ら「理由」を説明し、納得させていた。DeNAが好調な理由はラミレス監督の気配りによるものであり、チームも団結してきた。対する阪神も毎年の失速を繰り返すわけには行かない。広島追撃を続ける両チームの駆け引きが繰り広げられそうだ。