この闘いが最初で最後、二度と行われることはあるまい…と、誰もが思っていた「富士山頂の地下プロレス」だが、なんとこの夏、7月31日に第二弾である『EXIT-85 FUJIYAMA:2』が行われることが決定した。
地下プロレスを支配する闇の巨大組織・WUW(World Underground Wrestling)の招集メール(通称「フランスからのメール」)により参戦が決定したのが、三州ツバ吉、ペドロ高石、マッド光一、326、ドラゴンソルジャーLAW(DSL)、マッチョ・マイケルズの総勢6選手。昨年よりもさらにバラエティに富んだメンバーが集まる今年の闘い、はたして何が飛び出すか…と注目が集まっていたが、生憎にも31日当日の天候は「雷雨」の予報。
しかしながら、一度決まったプログラムはどんな事情であれ必ず決行されるのが地下の流儀。山頂でご来光を拝むべく、昨年と同様に選手たちは前日夜から登山をスタートさせたが、道中は雷鳴が轟き、横殴りの雨と冷たい突風が登山者たちを容赦なく襲う最悪のコンディション(当然、ご来光は拝めず)。しかも当日未明には福島を震源とするマグニチュード6.5の地震が富士山全土をも揺るがし、山小屋が騒然となる事態も勃発した(この地震により登山中のレフェリーが足を負傷し登頂不能、試合では代役を立てることとなった)。
悪天候のサバイバル登山の末、山頂にたどり着いた選手たちはすでに疲労困憊。しかし山頂にはすでに、赤と黒のマットを組み合わせたリングが用意され、いつでも試合開始できる準備が整っている。
雷鳴の轟きがさらに近くなる中、ついに試合は決行された。悪天候と疲労と寒さ(山頂の気温はわずか9度)、そして登頂の高揚感も相まって、6人の選手たちはリングインの瞬間からテンションをMAXにシフトチェンジ。試合はゴング前から揉み合う大乱戦となり、リング上の闘いに飽き足らぬ選手たちは戦場を山頂全体まで拡大し、ついに四方八方リング外へ飛び出し場外乱闘を開始! ペドロ高石は三州ツバ吉を山小屋まで連れ出しコブラツイスト、DSLは326めがけて自販機(!)に登ってからのエディゲレロフォーエバー(ダイビングボディプレス)を繰り出すなど、めいめいがまさにやりたい放題の狼藉ぶり。
そしてここで、場外乱闘ばかりの試合内容が霊峰・富士の神の逆鱗に触れたのか、嵐のような雨風とともに、なんと空から、殴りつけるような勢いでヒョウが降りだす“天災”が発生! 選手たちの上半身がみるみるうちに雨と泥で真っ黒に染まる中、いったんは最後までリングに残っていたマッド光一(三州率いる地下プロレス軍)のリングアウト勝ちが宣せられたが、裁定に不満の両陣営の要求が通り、すぐさま再試合が開始。しかし電光石火でムーンサルトプレス(!)を敵軍に決めたマッドが返り討ちを果たし、2011年の富士山頂プロレスは幕を閉じた。
試合後、選手たちが一般の登山客に記念撮影を求められる、そして山小屋の主人に「楽しかった。また来てよ!」と歓迎されるなど、今年もリングを取り囲むギャラリーに喝采を浴びた富士山頂プロレス。未確認情報ではあるが、来年以降も毎年レギュラー開催されるとも噂されており、また来年の夏が早くも待ち遠しいところである。
◆地下プロレス『EXIT-85 FUJIYAMA:2』
2011年7月31日(日)
会場:霊峰富士山頂(登山客10,000人・満員)
天候:雷雨
<特別試合 時間無制限一本勝負>
三州ツバ吉、○マッド光一、326(8分57秒 リングアウト)ペドロ高石、ドラゴンソルジャーLAW、●マッチョ・マイケルズ
<再試合 時間無制限一本勝負>
三州、○マッド、326(0分07秒 TKO)ペドロ、DSL、●マッチョ ※ムーンサルトプレス
地下プロレス『EXIT』公式サイト
http://www7.plala.or.jp/EXIT/
梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?
http://npn.co.jp/article/detail/97320773/
仰天! 「地下プロレス」が「霊峰富士山頂」にて「日本最高峰プロレス」!!
http://npn.co.jp/article/detail/23287014/